概要情報
事件名 |
丸繁建設 |
事件番号 |
新潟地労委 平成10年(不)第5号
|
申立人 |
全国一般労働組合新潟県本部 |
被申立人 |
株式会社 丸繁建設 |
命令年月日 |
平成12年 5月 8日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
|
事件概要 |
会社が、(1)組合員の運転手2名を運転業務から外して土工勤務を命じたこと、(2)一時金等に関する団交において誠実に対応しなかったことが不当労働行為であるとして争われた事件で、(1)組合員2名の運転業務への復帰、(2)組合員に対し土工勤務を命ずるなどの不利益取扱い禁止、(3)冬期一時金等に関する誠実団交、(4)ポスト・ノーティスを命じ、その余の申立(文書手交)を棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、申立人組合員X1及びX2を大型貨物自動車運転の業務に復帰 させなければならない。 2 被申立人は、申立人組合員を、同組合に所属していることを理由として、一 般工務(土木)勤務を命じるなど、不利益に取り扱ってはならない。 3 被申立人は、申立人組合の下記事項に関する要求について、誠実に団体交渉 に応じなければならない。 ア 申立人組合員X1の平成8年冬期並びに平成9年夏期及び冬期の各一時金の 金額査定の理由及び根拠 イ 申立人組合員X2に対する時間外勤務手当差額未払問題 ウ 平成10年冬期一時金 4 被申立人は、本命令を受けた日から5日以内に、下記の文言を縦55センチ メートル、横80センチメートルの白板又は白紙に明瞭に記載して、新潟市中 権寺2800番地所在の被申立人分室(通称「センター」)入口に10日間掲 示しなければならない。 記 当社は、全国一般労働組合新潟県本部の組合員である運転手に土工勤務を命 じるなど差別的な取扱いを行い、また同労働組合からの冬期一時金の要求等に 誠実に対応しなかったことが、今般、新潟県地方労働委員会から不当労働行為 と認定されました。今後、このような行為を行わないようにいたします。 平成 年 月 日(注 掲示初日を記載) 全国一般労働組合新潟県本部 執行委員長 X3 殿 株式会社丸繁建設 代表取締役 Y1 5 申立人のその余の申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
2240 説明・説得の程度
一時金、時間外手当等に関する団体交渉において、会社の交渉態度は、自己の一方的な主張にこだわる一方、組合と実質的な討議を尽くして合意に至ろうとする姿勢を最初から欠くもので、到底誠実な交渉とはいえず、労働組合法第七条第二号に該当する不当労働行為であるとされた例。
1300 転勤・配転
3607 労働者の行為と不利益取扱の程度との関連
会社が組合員2名を、スピード違反、負傷、運輸部門の他会社への移管などを理由に、運転手から一般工務(土工)勤務に配置変更したことは、いずれも合理的理由とは言えず、労働組合法第七条第一号に該当する不当労働行為であると同時に、同条第三号の支配介入としての不当労働行為であるとされた例。
4613 P.Nのみを命じ、他の救済の必要性を認めなかった例
会社側関係者の態度から見れば、会社の組合嫌悪の姿勢が明らかであるだけでなく、他の従業員の中に法で保護された組合活動を誤解している者があることが窺われるから、会社内部において法の趣旨を徹底させる意味で、ポストノーティスが必要であると認められるとされた例。
|
業種・規模 |
分類不能の産業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集117集42頁 |
評釈等情報 |
 
|