概要情報
事件名 |
ツムラ化粧品 |
事件番号 |
大阪地労委 平成11年(不)第20号
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申立人 |
管理職ユニオン・関西 |
被申立人 |
ツムラ化粧品株式会社 |
命令年月日 |
平成12年 4月11日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、(1)会社解散に伴う組合員らの解雇問題を議題とする団体交渉において、組合側出席者が会社の謝罪拒否の態度に抗議して机を叩く等をしたことを理由に、会社が団体交渉を打ち切り、その後の団体交渉申入れを拒否していること、(2)会社の親会社が、会社解散に係る団体交渉申入れを拒否していることが、それぞれ不当労働行為であるとして申立てのあった事件で、会社に対して、速やかな団体交渉の応諾を命じ、親会社に対する申立ては却下した。 |
命令主文 |
1 被申立人ツムラ化粧品株式会社は、申立人から平成11年3月1日付けで申し入れのあった団体交渉に、誠意をもって速やかに応じなければならない。 2 株式会社ツムラに対する申立ては却下する。 |
判定の要旨 |
2130 雇用主でないことを理由
2248 実質的権限のない交渉担当者
2301 人事事項
2400 その他
2613 使用者と取引関係者の言動
4915 親会社
組合との非公式均衡において、親会社の人事部長らが会社の解散に伴う従業員の退職条件について親会社及び会社内部で検討中であると発言した事実のみをもって、親会社が実質的に会社の従業員の退職条件を決定していたとまではいえないとされた例。
2130 雇用主でないことを理由
2400 その他
2613 使用者と取引関係者の言動
4915 親会社
組合と親会社の人事部長らの非公式均衡は、親会社の意を体した人事部長らが、法律上の義務に基づくものではなく、仲介者として子会社たる会社の解散を円滑に進めることを支援するために行ったものと解さざるを得ないとされた例。
2130 雇用主でないことを理由
2301 人事事項
4915 親会社
5144 不当労働行為でないことが明白
親会社が会社の従業員の退職条件等について現実的かつ具体的に支配決定していたとまでは認められないから、親会社は組合に対し、労働組合法第七条の使用者には当たらないとして、親会社に対する申立てが却下された例。
2301 人事事項
2304 経営事項
2400 その他
4420 団交を命じた例
本件団交申入れは経営事項としての会社解散に至る事情の説明を求めたものではなく、解散に伴う組合員の雇用、退職条件等に関する事項を対象として申し入れられたものであり、会社には団交応諾義務があるとされた例。
2301 人事事項
2307 その他
2400 その他
4420 団交を命じた例
会社は会社解散の取消しは交渉の余地がないのであるから団交応諾義務はないと主張するが、組合の団交申入れ事項には解散がやむを得ない場合の退職条件等に関する事項も含まれており、その意味で会社に団交応諾義務があるとされた例。
2301 人事事項
2400 その他
4420 団交を命じた例
組合員であったX1らも出席している説明会で十分な説明をしているから、団交での説明の必要はないとの会社の主張が、解散に至る経過や解散に伴う従業員の処遇について組合員も出席している説明会で説明しているとしても、それは、団交と役割、機能が異なるから、団交における説明義務を尽くしたものとは評価できないとされた例。
2112 雇用する従業員不存在
2114 組合の不存在
2130 雇用主でないことを理由
4000 退職金等の受領
4420 団交を命じた例
会社は、組合員であったX1らは退職金等を受領しており、組合は既に労働組合法第七条第二号にいう「使用者が雇用する労働者の代表」ではなく、本件申立当事者たる地位を喪失したというべきであるから、会社に団交応諾義務はないと主張するが、X1らが生計維持のために異議をとどめつつ退職金等を受給し、本件申し立てを維持していることを会社も了知しているのであるから、この限りにおいて労使関係は消滅していないと解すべきであるとされた例。
2230 不穏当な態度
4420 団交を命じた例
会社は、団交において、組合側出席者が会社の謝罪拒否に対して大声で使用者側を罵倒し、机を叩く等威圧的態度に出ており、秩序ある団交は到底できず、その後の団交を拒否したことには正当な理由があると主張するが、その後に申し入れられた団交を一切拒否する正当な理由があるとまでは認められず、団交拒否が不当労働行為にあたるとされた例。
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業種・規模 |
その他の製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集116集629頁 |
評釈等情報 |
 
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