概要情報
事件名 |
井阪運輸 |
事件番号 |
中労委 平成11年(不再)第51号
|
再審査申立人 |
井阪運輸株式会社 |
再審査被申立人 |
全日本建設交運一般労働組合関西支部 |
命令年月日 |
平成14年 9月 4日 |
命令区分 |
再審査棄却(初審命令をそのまま維持) |
重要度 |
|
事件概要 |
会社が、(1)分会の定時退社申入れ等を理由として、分会員に対し配車差別を行ったこと、(2)年末一時金交渉において他組合への回答額から4分の1相当額を減じる回答に固執したことが労働組合法第七条第一号及び第三号の不当労働行為であるとして申立てがあった事件で、大阪地労委は、会社に対し、(1)分会員に対して分会員以外の運転手と差別することなく配車を行うこと、(2)年末一時金について、既支払額との差額の支払(年率5分加算)、(3)文書手交(上記(1)に関して)を命じた。 会社は、これを不服として再審査を申し立てたところ、中労委は、再審査申立てを棄却した。 |
命令主文 |
本件再審査申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
5200 除斥期間
本件救済申立ては、救済申立て前1年を超える期間における救済を求めるものではなく、現在も続く配車差別についての救済を求めるものであるから、救済申立て1年前の出来事であるが、本件配車差別の原因となった会社がF製油からの一部業務を辞退したことの当否を検討・判断することは、労働組合法第二七条第二項の規定に反するものではないとされた例。
1302 就業上の差別
2900 非組合員の優遇
会社が、組合の定時退社申入書をスト通告とみなして、F製油に対し、分会員全員の一部業務を辞退したことに合理的な理由が認められないこと等から、平成8年5月27日以降、分会員に対し差別的な配車をしていることは、分会からの定時退社申入れ等を奇貨として行われたものとされた例。
1201 支払い遅延・給付差別
2900 非組合員の優遇
会社が、分会員への一時金を減額支給したことは、分会員へ配車されなくなったことによって、就労実態がほとんどなくなったことの責めを分会員に負わせるために行われたものとされた例。
4416 将来にわたる不作為を命じた例
(今後においても)分会員に対する配車差別を禁じた初審命令は、履行不能なものではないとされた例。
4421 文書掲示等を命じた例
文書手交は、労働組合法によって労働委員会に認められた裁量に基づき、同種行為の再発を防止する趣旨で命じたものであって「意に反する苦役」を強いるものではないとされた例。
|
業種・規模 |
道路貨物運送業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集124集738頁 |
評釈等情報 |
中央労働時報 2003年1月10日 1006号 22頁 
|