概要情報
事件名 |
福田運送 |
事件番号 |
兵庫地労委 平成13年(不)第4号
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申立人 |
自主管理福田運送労働組合ほか4名 |
被申立人 |
有限会社福田運送 |
命令年月日 |
平成14年12月 3日 |
命令区分 |
棄却(命令主文が棄却のみ又は棄却と却下) |
重要度 |
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事件概要 |
会社の組合員4名への配車指示が不当労働行為であるとして争われた事件で、兵庫地労委は、申立てを棄却した。 |
命令主文 |
本件申立を棄却する。 |
判定の要旨 |
0210 リボン・ワッペン等の着用
本件腕章着用闘争は、慣行として従来から行われていたとの疎明がなく、また、X1ら4名が腕章を着用して就労したことにより会社の対外的信用が大きく低下するおそれも現実にあったことから、仮に労務の提供に具体的な支障がなかったとしても正当な組合活動とは認められないとされた例。
0211 その他の組合活動
本件始業時間闘争が開始されるまで、過去3年近く、X1ら4名を含めた会社の従業員は、就業規則の定めに従い午前8時15分に業務を開始していたことが認められ、これを定める協定書が失効したという事実を考慮しても、少なくとも同旨の慣行が労使間には成立していたと考えるのが相当であり、かかる慣行を無視して始業時間を一方的に午前8時30分に変更する組合の行為は正当な組合活動とは認められないとされた例。
0411 怠業
労働者には債務の本旨に従った労務を提供すべき義務があり、労働組合による特定業務の履行拒否は、特段の事由がない限り正当な組合活動とは認められず、本件の場合、その特段の事由等の疎明がないことから、X1ら4名の行った特定業務の拒否である運行拒否闘争は、正当な組合活動とは認められないとされた例。
1600 休暇の取扱い
X1ら4名による組合活動を理由とする月末ないし年度末の年休申請に対し申請を拒否した会社の対応には十分な合理性が認められるとされた例。
1302 就業上の差別
本件組合の行った闘争は全体として組合活動の正当性を欠くものであり、会社がこれに対抗する措置をとったとしても、特段の事情のない限り、不当労働行為には該当せず、本件で会社が行ったX1ら4名に対して行った配車指示は荷主とのトラブルの防止を目的としたもので、これにより同人らの手当が減少したからといって、直ちに組合員に対する不利益取扱いに当たるとまではいえず、会社の行為は、厳しい経営状況の下で、業務の性質により生ずるおそれのある取引関係の悪化を回避するためにとられた必要かつやむを得ない措置であったと解するのが相当であり、これを組合の弱体化を意図した支配介入行為であると認めることはできないとされた例。
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業種・規模 |
道路貨物運送業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集124集681頁 |
評釈等情報 |
 
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