事件名 |
日本赤十字社・室蘭赤十字血液センター |
事件番号 |
北海道地労委 平成13年(不)第11号
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申立人 |
室蘭赤十字血液センター労働組合 |
被申立人 |
室蘭赤十字血液センター |
被申立人 |
日本赤十字社 |
命令年月日 |
平成14年10月11日 |
命令区分 |
棄却(命令主文が棄却のみ又は棄却と却下) |
重要度 |
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事件概要 |
センターが、組合から申入れのあった年末年始の勤務の取扱いに関す
る団体交渉に誠実に応じなかったこと及び年末年始の勤務をした組合員に対して労働協約・賃金協定に基づく代休措置をとらな
かったこと等が、不当労働行為であるとして、申立てのあった事件で、北海道地労委は、北海道室蘭赤十字血液センターに対する
申立ては却下し、日本赤十字社に対する申立ては、棄却した。 |
命令主文 |
1 申立人の被申立人北海道室蘭赤十字血液センターに対する申立て
は却下する。
2 申立人の被申立人日本赤十字社に対する申立ては、棄却する。 |
判定の要旨 |
4905 経営補助者
室蘭センターは、日赤の一事業所であって日赤の組織の構成部分にすぎず、法律上独立した権利義務の帰属主体ではないので、被
申立人適格を有しない。よって、申立人の室蘭センターに対する申立ては、却下する。
2240 説明・説得の程度
室蘭センターは、組合が提示した妥協案をいずれも拒否したことが認められるが、組合の要求した3度の団交に応じ、特に本件年
末年始の勤務の前日に行われた団交では8時間にわたって協議を続け、振替扱いとする根拠及び血液事業の特性や財務状況等室蘭
センターの抱える諸事情についても繰り返し説明し、組合の理解を求めており、こうした室蘭センターの交渉態度が一概に不誠実
であったとは言えない。よって、室蘭センターの行為は、労働組合法第七条第二号に該当する不当労働行為には当たらないので、
申立人の申立ては棄却する。
3103 労働協約締結をめぐる行為
休日勤務の取扱いは、労使の協議によってその都度決められてきた事実から、室蘭センターの行った本件振替扱いが協約の規定に
明白に反するとまでは言えない。
2240 説明・説得の程度
本件年末年始の勤務の取扱いに関しては、組合と室蘭センターの間で、11月22日、12月27日及び同月29日に団交が行わ
れ、勤務命令を発した後においても引き続き協議が行われている。さらに、休日勤務の取扱いについて、両者が長年にわたって協
議を繰り返してきていることも考え合わせれば、室蘭センターが組合との協議を尽くさずに本件年末年始の勤務命令を発したとの
申立人の主張は採用できない。
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業種・規模 |
医療業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集124集596頁 |
評釈等情報 |
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