概要情報
事件名 |
白峰学園 |
事件番号 |
神奈川地労委 平成11年(不)第6号
|
申立人 |
個人2名 |
申立人 |
横浜女子短期大学 教職員組合 |
申立人 |
神奈川シティユニオン |
被申立人 |
学校法人白峰学園 |
命令年月日 |
平成14年12月17日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
|
事件概要 |
学園が、(1)組合員1名に対して平成11年2月2日に専任講師の解任を通告したこと、(2)組合員1名に対して平成11年1月18日に担当科目の削減を通告し、さらに平成12年12月25日付けで雇止めの通知をしたこと、(3)専任講師に対する解任通告等を議題とする団体交渉において、理事長らの出席を拒否するなど誠実な対応をしなかったことが、それぞれ不当労働行為であるとして争われた事件で、専任講師解任通告並びに科目削減通告及び雇止め通知がなかったものとして、(1)平成12年7月31日まで専任講師であったものとしての取扱い、本件命令の受領日をもって専任講師としての取扱い及び誠実団交の実施並びに(2)社会福祉II・社会学の担当講師としての取扱い、誠実団交の実施及びバックペイの措置をそれぞれ講じ、文書掲示することを命じた。 |
命令主文 |
1 被申立人は、申立人X3に対する平成11年2月2日の専任講師解任通告並 びに申立人X4に対する平成11年1月18日の科目削減通告及び平成12年 12月25日付け雇止通知がなかったものとして、それぞれ次の措置を講じな ければならない。 (1) X3について、平成12年7月31日まで専任講師であったものとし て取り扱い、かつ、本命令の受領日をもって専任講師として採用したものと して取り扱うとともに、この取扱いに伴う諸問題について速やかに申立人ら と誠意ある団体交渉を行うこと。 (2) X4について、社会福祉II又はこれに相当する科目及び社会学又は これに相当する科目を担当したものとして取り扱うとともに、この取扱いに 伴う諸問題について速やかに申立人らと誠意ある団体交渉を行うこと。 また、X4に対し、上記の科目削減通告及び雇止通知がなかったならば支 給されるべきであった賃金相当額と現に支払った賃金の額との差額に相当す る額に、年率5分相当額を加算した額の金員を支払うこと。 2 被申立人は、本命令受領後、速やかに下記の文書を縦1メートル、横1.5 メートルの白紙に楷書で明瞭に大きく記載し、横浜女子短期大学本館事務室内 の従業員の見やすい場所に、毀損することなく10日間掲示しなければならな い。 記 当学園が、貴組合員のX3に対して平成11年2月2日に専任講師の解任を 通告したこと及びX4に対して平成11年1月18日に担当科目の削減を通告 するとともに、平成12年12月25日付け文書で雇止めを通知したことは労 働組合法第七条第一号及び第三号に該当する不当労働行為であり、また、第4 回から第10回までの貴組合との団体交渉(第8回を除く。)において誠実な 対応をしなかったことは同条第二号に該当する不当労働行為であると神奈川県 地方労働委員会において認定されました。 今後、このような行為を繰り返さないようにいたします。 平成 年 月 日 神奈川シティユニオン 執行委員長 X1 殿 横浜女子短期大学教職員組合 委員長 X2 殿 X3 殿 X4 殿 学校法人白峰学園 理事長 Y1 |
判定の要旨 |
1106 契約更新拒否
1200 降格・不昇格
教員としての不適格性を理由とした専任講師解任、非常勤講師についての経費削減を理由として科目削減及び専任教員の補充により委嘱の必要性がなくなったことを理由とした雇止めについて、組合員に対する不利益取扱いであると同時に組合への支配介入であるとされた例。
2240 説明・説得の程度
2248 実質的権限のない交渉担当者
第4回ないし第10回の解任通告及び削減通告に係る団体交渉(第8回を除く。)について、十分に回答することのできない学園代理人(弁護士)の出席により、交渉が滞り、あるいは実質的な協議が尽くされておらず、学園の対応は不誠実であったとして、不誠実団交とされた例。
|
業種・規模 |
教育(自動車教習所を含む) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集124集481頁 |
評釈等情報 |
 
|