概要情報
事件名 |
友伸福祉会 |
事件番号 |
山梨地労委 平成13年(不)第1号
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申立人 |
全国一般・山梨県中小企業労働組合評議会 |
申立人 |
長寿荘職員労働組合 |
被申立人 |
社会福祉法人友伸福祉会 |
命令年月日 |
平成14年10月23日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
法人が、委託業者への転籍を拒否した組合執行委員X3を解雇したこと、同解雇に当たって別件に係る和解協定書を遵守しなかったこと、及びX3の解雇問題に関する団交に誠実に応じなかったことが不当労働行為であるとして争われた事件で、(1)組合員X3の解雇のなかったものとしての取扱い、原職復帰及びバックペイ、(2)組合員を解雇する等の支配介入の禁止、(3)X3の処遇及び別件に係る和解協定書条項の遵守を交渉事項とする団交への誠実な応諾、(4)(1)から(3)に関する文書掲示を命じた。 |
命令主文 |
主 文 1 被申立人社会福祉法人友伸福祉会は、申立人長寿荘職員労働組合の執行委員 X3に対する平成13年7月31日付けの解雇をなかったものとして扱い、原 職相当職に復帰させなければならない。 2 被申立人社会福祉法人友伸福祉会は、申立人長寿荘職員労働組合の執行委員 X3に対して、解雇の日の翌日から原職相当職に復帰する日までの間に同人が 受けるはずであった賃金相当額(ただし、甲府地方裁判所の仮処分決定に基づ く支払済の金額があるときはこれを控除した額とする。)を支払わなければな らない。 3 被申立人社会福祉法人友伸福祉会は、山労委平成9年(不)第2号及び第3 号事件における平成9年8月22日付け和解協定書第1項を遵守することなく 組合員の解雇その他の労働条件の変更を行うことにより、申立人長寿荘職員労 働組合及び申立人全国一般・山梨県中小企業労働組合評議会の運営に支配介入 してはならない。 |
判定の要旨 |
1102 業務命令違反
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
X3の解雇手続は性急かつ一方的に行われ、会社がX3や組合員に具体的な解雇理由を説明せず、X3の解雇後も組合の申入れ等に誠実に応じず団体交渉にも誠実に応じていないこと、本件以前の労使交渉等の状況をみると、理事長は組合あるいは組合活動を嫌悪していたと推認されること、X3の解雇には合理的理由がないことを併せ考えると、X3は組合員であるが故に解雇されたものと認めるのが相当であり、また、同人の解雇は組合の弱体化を企図したものであって、労働組合法第七条第一号及び第三号の不当労働行為に当たるとされた例。
2901 組合無視
会社がX3の解雇に当たって、組合員の労働条件の変更に関する説明、協議について規定する和解協定書を遵守しなかったことは、労働協約の相手方当事者である組合を全く無視した行為であり労働組合法第七条第三号の不当労働行為に当たるとされた例。
2240 説明・説得の程度
会社は、団体交渉において、解雇理由についてX3には行くところがないとしか回答せず、具体的な説明を行わず、組合の要求書に対しても回答していないことが明らかであるから、かかる会社の対応は労働組合法第七条第二号の不当労働行為に当たるとされた例。
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業種・規模 |
社会保険、社会福祉 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集124集228頁 |
評釈等情報 |
 
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