概要情報
事件名 |
松蔭学園(団交拒否) |
事件番号 |
東京地労委 平成13年(不)第20号
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申立人 |
松蔭学園教職員組合 |
被申立人 |
学校法人松蔭学園 |
命令年月日 |
平成14年 9月 3日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
学園が、平成12年度の給与引上げ及び夏季・年末一時金に関する団交申入れ並びに平成13年度の給与引上げ及び夏季・年末一時金に関する団交申入れに応じなかったことが不当労働行為であるとして争われた事件で、(1)平成12年度及び平成13年度の給与引上げ並びに平成13年度の夏季・年末一時金に関する団交応諾、(2)(1)に関する文書掲示、(3)(1)及び(2)に関する履行報告を命じ、その余の申立てを棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人学校法人松蔭学園は、申立人松蔭学園教職員組合が平成13年3月 21日付で申し入れた12年度給与引上げに関する団体交渉、並びに13年1 0月16日付及び同年12月4日付で申し入れた13年度の給与引上げ、夏季 一時金及び年末一時金に関する団体交渉を拒否してはならず、誠実に応じなけ ればならない。 2 被申立人学園は、本命令書受領後1週間以内に、55センチメートル×80 センチメートル(新聞紙2頁大)の大きさの白紙に、下記内容を楷書で明瞭に 墨書して、松蔭高等学校職員室内の教職員の見やすい場所に、10日間掲示し なければならない。 記 年 月 日 松蔭学園教職員組合 執行委員長 X1 殿 学校法人松蔭学園 理事長 Y1 当学園が、貴組合から平成13年3月21日付で申入れのあった12年度 春闘要求にかかる給与引上げに関する団体交渉、並びに13年10月16日 付及び同年12月4日付で申入れのあった13年度の給与引上げ、夏季一時 金及び年末一時金に関する団体交渉にそれぞれ応じなかったことは、東京都 地方労働委員会においていずれも不当労働行為に該当すると認定されました。 今後このような行為を繰り返さないよう留意します。 (注:年月日は文書を掲示した日を記載すること。) 3 被申立人学園は、前各項を履行したときは速やかに当委員会に文書で報告し なければならない。 4 その余の申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
2241 他の係争事件の存在
学園と組合との間で再審査申立事件が未だ中労委において係争中であるとしても、本件における各団体交渉申入れは、当該再審査申立事件では審査対象となっていない平成12年度及び平成13年度の給与引上げ及び一時金に関する個別の要求事項にかかるものであり、学園は、本件要求事項について組合を納得させるに足りると認められる合理的説明と資料提示を伴う回答を用意し、誠意をもって団体交渉に臨むことができるのであるから、当該再審査申立事件に係る命令を引合いに出して団体交渉を行う意味がない旨の学園の主張は、団体交渉を拒否する正当な理由とは認められず、労働組合法第七条第二号の不当労働行為に当たるとされた例。
2253 受取り拒否・申入れなし
平成12年度の夏季・年末一時金要求は、平成13年3月21日付の団体交渉の交渉議題に記載されておらず、また、それとは別に組合が団体交渉を申し入れたとの疎明もない以上、これらの一時金に関する申立ては棄却せざるを得ないとされた例。
4505 その他
組合は請求する救済の内容の変更にあたって、謝罪文の内容には言及していないが、平成12年度の給与等の団体交渉拒否について謝罪文の掲示を求め、これを維持している以上、平成13年度分についても同様の取扱いを求めていると解するのが相当であるとされた例。
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業種・規模 |
教育(自動車教習所を含む) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集124集54頁 |
評釈等情報 |
 
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