概要情報
事件名 |
東海旅客鉄道(東海労配属等) |
事件番号 |
大阪地労委 平成 8年(不)第51号
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申立人 |
ジャイアール東海労働組合 |
申立人 |
ジャイアール東海労働組合関西地方本部大阪第三車両所分会 |
被申立人 |
東海旅客鉄道株式会社 |
命令年月日 |
平成14年 2月28日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、申立人組合に所属する組合員らを、(1)車両検査業務から異なる業務であるサービスセンターへ恣意的に集中して配属させたこと、(2)脱退勧奨させたこと、(3)会社施設利用に当たり差別取扱いをしたこと、(4)組合掲示物を無断撤去したことが不当労働行為であるとして争われた事件で、平成8年7月1日付け配属がなかったものとして取り扱うこと及び文書手交((1)、(3)、(4)に関して)を命じ、その余の申立てを棄却した。 |
命令主文 |
主 文 1 被申立人は、申立人組合員に対し、平成8年7月1日付けで行った大阪第三 車両所サービスセンターへの配属をなかったものとして取り扱わなければなら ない。 2 被申立人は、申立人らに対し、下記の文書を速やかに手交しなければならな い。 記 年 月 日 ジェイアール東海労働組合 中央執行委員長 X1 殿 ジェイアール東海労働組合新幹線関西地方本部 大阪第三車両所分会 執行委員長 X2 殿 東海旅客鉄道株式会社 代表取締役 Y1 当社が行った下記の行為は、大阪地方労働委員会において、労働組合法第七条 第一号及び第三号に該当する不当労働行為であると認められました。今後このよ うな行為を繰り返さないようにいたします。 記 (1)平成8年7月1日付け人事異動において、貴組合員らを大阪第三車両所サ ービスセンターへ恣意的に集中して配属したこと。 (2)貴組合から平成8年11月5日付けで申請された同月8日午後5時30分 からの施設等使用許可願を不許可としたこと。 (3)平成7年12月12日から同8年8月30日までの間に、貴組合新幹線関 西地方本部大阪第三車両所分会の組合掲示板から、掲出中の掲示物(平成7 年12月12日、同8年5月20日及び同年7月18日に撤去した掲示物、 平成8年7月10日に撤去した掲示物の再掲示物以外で同月23日に撤去し た掲示物並びに同8年7月25日及び同年8月30日に撤去した掲示物)を 6回計7点にわたり撤去したこと。 3 申立人らのその他の申立ては棄却する。 |
判定の要旨 |
1300 転勤・配転
会社が、分会組合員に対して行った異動が、合理的な理由がなく恣意的であり、本来業務に従事する分会組合員を分断させ、組合の弱体化を企図した不当労働行為とされた例
2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
別組合に加入している助役らの架電行為が、会社の組織ぐるみの組合脱退勧奨ではなく、組合員としての加入勧奨のための労働組合活動であるとされた例
3020 組合活動への制約
会社が、別組合には講習室の夜間利用を認めながら、分会に対して認めなかったことは、分会の組合活動を嫌悪した差別的取扱いであるとされた例
2800 各種便宜供与の廃止・拒否
会社が、組合活動の運営に必要なものとして労働協約の許容範囲を逸脱したとはいえない掲示物を撤去したことが、当時の労使対立の状況と併せ考えてみて支配介入とされた例
4614 文書手交のみを命じた例
組合は、配属、会社施設の使用許可における不利益取扱い及び分会掲示板からの掲示物撤去について、将来にわたる禁止を求めるが、これらの是非は内容如何にかかわるものであり、将来にわたって一律に禁止するものではないから文書手交を命じるのが相当であるとされた例
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業種・規模 |
鉄道業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集122集313頁 |
評釈等情報 |
 
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