概要情報
事件名 |
成友印刷 |
事件番号 |
兵庫地労委 平成12年(不)第16号
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申立人 |
関西合同労働組合 |
被申立人 |
個人2名 |
被申立人 |
破産者成友印刷株式会社 |
被申立人 |
成友印刷株式会社 |
命令年月日 |
平成13年12月18日 |
命令区分 |
棄却(命令主文が棄却のみ又は棄却と却下) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、労働条件変更等に関する事前協議協定に反して一方的に破産申立てを行い、従業員を解雇したこと及び解雇問題等に関する団体交渉において経営状況についての具体的説明をせず不誠実であったことが争われた事件で、代表取締役及び会社の代理人弁護士に対する申立てを却下し、会社及び破産管財人に対する申立てを棄却した。 |
命令主文 |
主 文 1 申立人の被申立人X1及び同X2に対する申立てを却下する。 2 申立人の被申立人成友印刷株式会社及び同破産者成友印刷株式会社破産管財 人Aに対する申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
4916 企業に影響力を持つ者
破産宣告に先立ち、既に従業員が解雇されている場合には、破産管財人が労組法第7条の使用者としての責任を負うことは原則としてないが、解雇が不当労働行為委に当たるか否かについて争いがある場合には、破産管財人は自己の権現に属する破産団体の管理処分権の範囲内では労働組合法第7条の使用者には当たらるとされた例。
4916 企業に影響力を持つ者
会社の代理人である弁護士Z1が、従業員に対し解雇を通知し、解雇撤回を求める組合からの団体交渉の申し入れに関与したこと及び破産申立てに係る手続きを行ったこと等の行為は、あくまで会社代理人としての立場で行ったものであり、その効果は会社に帰属するというべきであるから、Z1は労働組合法第7条の使用者には当たらないとして、Z1に対する申立てが却下された例。
4913 破産管財人
Y1個人は、あくまで会社の代表者としての立場において行動したにすぎず、Y1が会社代表者としての立場を離れて、従業員の労働条件について現実的かつ具体的な支配力を行使していたことを認める疎明がないことから、Y1個人は、労組法第7条の使用者には当たらないとして、Y1に対する申立てが却下された例。
3105 事業廃止、工場移転・売却
会社が意図的に破産原因を作り出したとは認められず、また、会社の方針に協力的な従業員の協力を得て、組合を破滅される目的で計画的に破産申立てを行ったと認めるに足る疎明もないことから、会社の破産申立ては、組合を嫌悪し、組合破滅を目的としたものであるとは認められず、不当労働行為には当たらないとされた例。
2240 説明・説得の程度
会社は、組合からの団体交渉の申入れに対し、度々応じており、過去三年間にわたる決算報告書を示して、損益の推移について説明をしていること等からみると、団体交渉における会社の対応が不誠実であったとは認められず、不当労働行為には当たらないとされた例。
2620 反組合的言動
会社が会社の代理人の名前で配布ないし掲示した文書の内容は、全体として組合との団体交渉の経過及び組合の主張に対する会社の見解を述べたものであり、組合の内部問題に関わる事項や組合ないし組合員に対する威嚇、利益の誘導等を内容とするものではなかったのであるから、文書の配布ないし掲示は組合の運営に対する支配介入には当たらないとされた例。
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業種・規模 |
出版・印刷・同関連産業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集121集604頁 |
評釈等情報 |
 
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