概要情報
事件名 |
第一中山・第二中山 |
事件番号 |
京都地労委 平成12年(不)第1号
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申立人 |
中山ユニオン |
被申立人 |
破産者中山株式会社破産管財人 |
被申立人 |
中山株式会社 |
命令年月日 |
平成13年11月26日 |
命令区分 |
棄却(命令主文が棄却のみ又は棄却と却下) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、①破産宣告後、労働協約に定められた労使協議を行わないまま解雇通告をしたこと、②退職条件についての要求書に対する回答を拒否をしたことが争われた事件で、会社に対する申立ては却下、破産管財人に対する団交拒否の申立ては棄却し、破産管財人に対するその余の申立てを却下した。 |
命令主文 |
主 文 1 申立人の申立てのうち、中山株式会社に対する救済申立てを却下する。 2 申立人の申立てのうち、破産者中山株式会社破産管財人Y1に対する労働組合 法第7条第2号の団体交渉拒否に係る救済申立てを棄却する。 3 申立人の申立てのうち、破産者中山株式会社破産管財人Y1に対するその余の 申立てを却下する。 |
判定の要旨 |
4913 破産管財人
破産管財人には、破産法第7条の規定に基づき、破産財団の管理・処分に関する権限の範囲内で労働組合法第7条の使用者の地位にあると解すべきであり、破産宣告前の使用者が行った行為についてもその限度において責任を引き継ぐものと考えられることから、本件救済申立てのうち解雇通告の撤回及び退職条件等に係る団体交渉事項については、管財人が引き継ぐこととなるため、破産管財人は被申立人としての適格性を有するとされた例。
4912 破産事業における使用者
破産会社は、破産宣告を受けたことによって被申立人としての適格性を失うわけではなく、破産宣告によって管財人に専属することとなる権限の範囲外の事項については、破産会社にその権限が存続しているものとみるべきであり、破産申立ての撤回等については管財人に専属する権限の範囲外の事項であるので、破産会社は被申立人としての適格性を有するとされた例。
5008 その他
破産申立ては、労働組合法第7条第1号に規定する不当労働行為に該当しないことは明らかであるとして、申立てが却下された例。
4000 退職金等の受領
組合員に対する自宅待機命令の取消し及び解雇通告については、組合員らが退職金及び解雇予告手当を異議なく受領しており、組合員らが既に解雇を承認したものと認められることから、もはや被救済利益は存在しないとして、申立てが却下された例。
5145 救済内容が実現不可能
会社に対する団体交渉応諾については、会社の代表者が破産宣告を受けており、商法第254条の2第2号の取締役の欠格事由に該当するため、破産宣告を受けた時点で取締役の権限を喪失していることから、会社を代表して団体交渉を行う者が存在せず、団体交渉を行うことが事実上不可能であるとして、申立てが却下された例。
2235 その他組合の態度
破産宣告後に行われた団体交渉については、既に管財人が選任されていること、また、団体交渉事項中、管財人の権限に属する解雇通告の撤回、退職条件に関する事項については、権限のない社長に対して申し入れられたものであり、適法な団体交渉申入れが行われたとはいえず、その後も権限のある管財人に対して団体交渉申入れを行った疎明もないことから、管財人に対する救済申立てについては、不当労働行為が成立する余地はないとして、申立てが棄却された例。
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業種・規模 |
衣服・その他の繊維製品製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集121集562頁 |
評釈等情報 |
 
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