概要情報
事件名 |
高砂建設 |
事件番号 |
埼玉地労委 平成 7年(不)第11号
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申立人 |
川越地区一般合同労働組合(外個人1名) |
被申立人 |
株式会社高砂建設 |
命令年月日 |
平成13年 9月13日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、(1)組合に加入した組合員に対して、支店から本社へ配転を命令したこと、(2)同問題に関する団交に誠実に応じなかったこと、(3)同組合員が配転命令に従わなかったこと及び会社を誹謗、中傷するビラ等を配布したことを理由に懲戒解雇処分としたことが争われた事件で、(1)組合員の懲戒解雇処分の撤回及びバックペイ、(2)同組合員の職場復帰に際して、誠実な団体交渉を行い、具体的な勤務条件を決定すること、(3)配転に係る申立てを棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、申立人X1に対する平成8年4月15日付け懲戒解雇処分を撤回 し、同人を本社営業職に復帰させるとともに、解雇がなかったならば得られた であろう賃金相当額を支払わなければならない。 2 被申立人は、申立人X1を本社営業職に復帰させるに当たり、申立人組合と誠 実に団体交渉を行い、同人の出社・退社時間、営業エリアなど具体的な勤務条 件を決定しなければならない。 3 申立人らの配転命令に係る部分の申立ては、これを却下する。 4 申立人らのその余の申立ては、これを棄却する。 |
判定の要旨 |
1300 転勤・配転
5200 除斥期間
5201 継続する行為
当時組合の組合員でなかったX1に対する支店から本社への配転命令は、X1の別組合の組合活動としてなされた男女賃金格差是正要求の取組みを会社が嫌悪して行ったものと認められるが、本件申立ては配転命令が行われて1年以上経過した後になされたものであり、配転命令自体はその時点で完結する行為であるとされ、配転命令に係る申立てが却下された例。
2249 その他使用者の態度
2301 人事事項
会社が、X1の配転に係る労使間の合意を組合が一方的に破棄したことを理由として、配転命令の撤回等に関する団体交渉の申入れに応じないことは、団体交渉拒否の正当理由とはいえず、また、他に団体交渉を拒否する正当な理由も見られないことから、会社の団体交渉拒否は労働組合法第7条第2号に該当する不当労働行為であるとされた例。
1102 業務命令違反
1103 背信行為
1400 制裁処分
2241 他の係争事件の存在
3603 労働者に落度がない場合
4401 原職復帰と他の措置を併せて命じたもの
4420 団交を命じた例
会社が、X1の配転命令拒否及び会社を誹謗・中傷するビラの配布を理由として懲戒解雇したのは、地裁における地位保全仮処分申請の却下決定がなされたとはいえX1が配転命令に従わなかったことに相当の理由があり、また、会社を批判するビラの配布も通常の宣伝活動の範囲内と認められ、本件懲戒解雇には合理的な理由がなく、会社がX1らの組合活動を嫌悪して行った不利益取扱いであって労働組合法第7条第1号に該当する不当労働行為であるとされた例。
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業種・規模 |
建設業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集121集76頁 |
評釈等情報 |
 
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