労働委員会命令データベース

(この事件の全文情報は、このページの最後でご覧いただけます。)

[命令一覧に戻る]
概要情報
事件名  七尾自動車教習所 
事件番号  石川地労委 平成12年(不)第1号 
申立人  全国一般労働組合石川地方本部 
被申立人  有限会社七尾自動車教習所 
命令年月日  平成13年 8月 7日 
命令区分  全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) 
重要度   
事件概要  会社が、①組合の申し入れた団交開催時間が勤務時間内であることを理由として団交を拒否したこと、②平成11年年末一時金等に関する団交を行わず、考課査導入についても具体的内容を明らかにしないまま一法的に通告し、未妥結を理由に一時金の支給をしないこと、③考課査定の対象として組合活動時間やストライキ等を掲げ、分会員がマイナス査定を受ける可能性を大きくしたことが争われた事件で、①考課査定に関する提案内容に固執することない誠実団交応諾、②組合員ら8名に対する平成11年年末一時金の仮払、③文書手交を命じた。 
命令主文  主     文
1 被申立人は、申立人の平成11年11月5日付け要求書記載事項について、
 考課査定に関する自己の提案内容に固執することなく、速やかに誠意をもって
 団体交渉を行わなければならない。
2 被申立人は、申立人組合員X2、同X3、同X4、同X5、同X6、同X7
 、同X8及び同X9ら8名に対して、平成11年年末一時金として、別紙に掲
 げる金額を仮払いしなければならない。
  なお、被申立人は、この金額に、平成11年12月27日以降支払済みに至
 るまでの年率5分の割合による金員相当額を加算して仮払いしなければならな
 い。
3 被申立人は、本命令書(写)受領後速やかに、下記文書を申立人に手交する
 とともに、縦1メートル・横1メートルの大きさの白紙に、楷書で明瞭に記載
 して、被申立人七尾自動車学校指導員室の従業員の見やすい場所に、10日間
 棄損することなく掲示しなければならない(年月日は文書を手交・掲示した日
 をそれぞれ記載すること)。
                 記
                               年 月 日
   全国一般労働組合石川地方本部
     執行委員長    X1    様
                    有限会社七尾自動車教習所
                       代表取締役    Y1
  当社が貴組合に対して行った下記の行為は、石川県地方労働委員会において
 、労働組合法第7条第1号、第2号および第3号に該当する不当労働行為であ
 ると認定されました。
  今後このような行為を行わないようにします。
                 記
 1 平成11年7月26日以降、団体交渉の開催時間を一方的に指定、制限し
  、また貴組合からの交渉申入れを、勤務時間内であることを理由に拒否して
  きたこと。
 2 平成11年11月5日付けで貴組合から申入れのあった平成11年年間一
  時金要求について、団体交渉を行わず、当社が回答の中で示した考課査定導
  入についても、具体的内容を明らかにしないままに提示し、かつ貴組合から
  寄せられた質問に対しても十分に回答せず、それによって貴組合員に1年以
  上にわたって平成11年年末一時金の支給されない状態を引き起こしたこと。 
判定の要旨  2212 交渉の場所・時間
勤務時間内の団体交渉を開催してきた実績が認められるなかで、一方的に開催時間を休憩時間に限定し、かつ1回当たりの交渉時間を35分に制限する団体交渉ルールを設定し、以後の組合からの交渉申入れを一律に拒否し続けたことについて正当理由を認めることはできず、また、会社には、団交ルールを実施に移すに際して、組合の理解や同意を得るために具体的な努力を行ったことも認められないことから、会社の係る行為は、労働組合法第7条第1号に該当する不当労働行為に当たるとされた例。

1201 支払い遅延・給付差別
2244 特定条件の固執
2900 非組合員の優遇
会社は、平成11年一時金要求に対して団体交渉を行わず、ストライキや組合活動の時間をも控除対象とする考課査定の導入を含む回答について、自己の考えに固執して誠意ある説明を行わず、その結果1年以上にわたって分会員に同年年末一時金が支給されない状態を引き起こしたものであるから、このような会社の行為は、労働組合法第7条第1号、第2号及び第3号の不当労働行為に当たるとされた例。

4500 交渉拒否理由または交渉条件に関する指示に触れた例
本件審査中に団体交渉が再開されるようになったことから、団体交渉が拒否されるままになっている団体交渉のうち、平成11年年間一時金及び労働条件の改善について、考課査定に関する自己の提案に固執することなく誠意をもって団体交渉を行うよう命じた例。

4413 給与上の不利益の場合
4610 P.Nに併せて文書手交を命じた例
平成11年年末一時金等に関する申立ての救済としては、誠実団交応諾のほか、長期間未支給となっている同年年末一時金について、会社が別組合員に支給したものを考課査定しない状態で仮払いさせることが相当であるとされた例。

業種・規模  教育(自動車教習所を含む) 
掲載文献  不当労働行為事件命令集120集315頁 
評釈等情報   

[先頭に戻る]
 
[全文情報] この事件の全文情報は約350KByteあります。 また、PDF形式になっていますので、ご覧になるにはAdobe Reader(無料)のダウンロードが必要です。