概要情報
事件名 |
エッソ石油(境港油槽所閉鎖) |
事件番号 |
鳥取地労委 平成 4年(不)第1号
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申立人 |
スタンダード・ヴァキューム石油自主労働組合西日本合同分会連合会 |
被申立人 |
エッソ石油有限会社 |
被申立人 |
エッソ石油有限会社広島支店 |
命令年月日 |
平成13年 3月26日 |
命令区分 |
棄却(命令主文が棄却のみ又は棄却と却下) |
重要度 |
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事件概要 |
会社及び支店が、①境港油槽所の閉鎖に伴い組合員3名を糸崎油槽所に転勤させ、タンクトラック運転手から現業職であるプラントマンへの職種変更を行い、特殊勤務に従事させたこと、②これらに関する団交に誠実に応じなかったことが争われた事件で、①組合員1名の申立は却下、②支店に対する申立は却下、③会社に対する申立ては棄却した。 |
命令主文 |
主 文 1 申立人X4の申立ては、これを却下する。 2 申立人らの被申立人エッソ石油有限会社広島支店に対する申立ては、これを 却下する。 3 申立人らの被申立人エッソ石油有限会社に対する申立ては、いずれも棄却す る。 |
判定の要旨 |
4838 申立ての承継
申立人X4は、早期退職制度に自ら応募して会社を退職し、その後死亡したが、本件審問終結時までに同人の申立てを承継する申出はなかったことが認められるから、X4に係る申立ては、労働委員会規則第34条第1項第7号の規定により却下するとされた例。
4831 組織変更
申立人西日本合同分会連は、中国分会連を事実上統合した労働組合であると認められ、本件申立てについて、申立人適格が認められるとされた例。
4905 経営補助者
救済命令の名宛人とされる使用者は、労働組合法第7条にいう使用者であり、法律上独立した権利義務の帰属主体であることを要すべきであるところ、広島支店は会社の地方事業所の一つで、会社の構成部分に過ぎず、独立した権利義務の帰属主体とは認めらないから、同支店に対する申立ては却下するとされた例。
2301 人事事項
4100 退職届けの提出
申立人X1、X2は、それぞれ定年により会社を退職しており、会社との間に雇用関係は既に存在しないから、別企業である東西オイル境港油槽所に同人らの職場確保を求める救済利益及びこれを案件とする西日本合同分会連との団体交渉応諾を求める救済利益は失われており、これら請求を求める申立ては棄却するが、ポストノーティスを求める救済利益は未だ失われていないとされた例。
3105 事業廃止、工場移転・売却
会社が境港油槽所を閉鎖し、その後の措置として東西オイル境港油槽所に参加せず、組合員3名の職場を同油槽所に確保しなかったことは、東西オイルが諸般の事情により同油槽所の建設を断念したこと、再び持ち上がった建設計画は労使確認当時の計画とは内容が異なっており、会社は経営判断としてこの計画に参加しなかったことが認められるから、支配介入には当たらないとされた例。
2900 非組合員の優遇
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
境港油槽所の閉鎖には業務上の必要性が認められること、社有トラックの全廃は配送業務の全廃を目的として経営判断として決定したもので、本件転勤及び職種変更においては業務上の必要性が認められること、本件転勤及び職種変更において、会社が、中国分会連の弱体化を意図して他組合と差別的な取扱いを行ったことが認められないこと等から、本件3組合員の転勤及び職種変更は、支配介入に当たらないとされた例。
2240 説明・説得の程度
2301 人事事項
2400 その他
境港油槽所の閉鎖に関する本部団体交渉において、会社は、自主労組と誠実に協議したとみることができ、また、境港油槽所の閉鎖に伴う3組合員の転勤及び職種変更については、部分的に暫定的とはしながらも労使で合意に至っているのであるから、本部団体交渉において、会社が会社の決定を押しつけたということはできず、境港油槽所の閉鎖に伴う転勤及び職種変更について、会社が団交拒否をしたとはいえないとされた例。
2214 上部と傘下組合の交渉範囲
本部団交で、自主労連は、3組合員の転職及び職種変更について、部分的に暫定としながらも合意し、その合意に基づき本件転職及び職種変更が行われたのであるから、会社が本部団交と同じ事項について、西日本合同分会連との間で団体交渉を重ねて行う格別の必要性が認められず、会社が同分会連と協議を行わなかったことは団交拒否には当たらないとされた例。
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業種・規模 |
石油製品・石炭製品製造業 |
掲載文献 |
別冊 中央労働時報1257号45頁 |
評釈等情報 |
 
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