労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  共生産業 
事件番号  千葉地労委 平成11年(不)第6号 
申立人  連合ちばユニオン・明生教職員労働組合 
被申立人  共生産業株式会社 
命令年月日  平成13年 3月16日 
命令区分  一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含 む) 
重要度   
事件概要  会社が、(1)夏期賞与支給に関する新基準に基づき、一部の組合員 に対し、夏期賞与を支給したが、申立人組合員には賞与が従来通り支給されなかったこと、(2)一部の組合員に対し、時間外手 当を一部減額して支給したこと、(3)組合の会計担当執行委員X1を配置転換したこと、(4)組合員に対し組合脱退届けの提 出を強要したこと、(5)教員として採用した組合の執行委員長X2に対し、人事異動を行い、草刈り、新聞切抜きを行わせ、同 人の非違行為を理由に解雇したこと、(6)解雇した組合執行委員長が出席する団交はできない等として団体交渉を拒否したこと が不当労働行為であるとして争われた事件で、会社に対し、(1)人事異動及び解雇処分の取り消し、原職復帰、バックペイ、 (2)団交応諾、(3)文書手交を命じ、その余の申立てについては棄却した。 
命令主文  1 被申立人は、申立人組合前執行委員長 X2 に対してなした平 成11年8月
 13日付けの人事異動及び同年9月2日付けの解雇処分を取り消し原職に復帰
 させるとともに、解雇の翌日から原職に復帰するまでの間に同人が受けるはず
 であった賃金相当額を支払わなければならない。
2 被申立人は、申立人組合を正当な労働組合と認め、誠意をもって団体交渉に
 応じなければならない。
3 被申立人は、本命令書受領の日から1週間以内に申立人組合に対し、下記の
 謝罪文を手交しなければならない。
                 記
               謝 罪 文
        連合ちばユニオン・明生教職員労働組合
        代表者 執行委員長 X3 様

   年  月  日

                 共生産業株式会社
                    代表取締役   Y1


  当社が、貴組合の執行委員長であったX2を人事異動したこと、更に解雇した
 こと及び貴組合の会計担当X1を配置転換させたこと並びにX1、X4らの申立人組
 合員に対してなした脱退工作が不当労働行為であると千葉県地方労働委員会に
 おいて認定されました。今後、このような行為をしないよう誓約します。
               (注:年月日は手交の日を記入すること)
4 その余の申立ては棄却する。 
判定の要旨  1202 考課査定による差別
(1) 会社は、夏期賞与の支給に関し、授業料収入について教室ごとに賞与調査をし、支給基準に基づき賞与を支給しており、 その結果、組合員のうち賞与が支給されなかった組合の前執行委員長外6名以外の者には賞与が支給されおり、非組合員でも基準 を満たさなかった教室では賞与が支給されていないことから不支給の組合員に対し夏期賞与の支給を求める申立てが棄却された 例。

1203 その他給与決定上の取扱い
(2) 時間外手当等は組合員に対しても支払われており、組合員と非組合員でどのような差別があったか疎明されていないこと から、組合員2名の時間外手当未払分の支給を求める申立てが棄却された例。

1300 転勤・配転
(3) 会社の会計担当執行委員X1の江戸川台教室から稲毛教室への配置転換には、合理的な理由が見出せないこと、また、会 社部長は江戸川台教室への勤務を認めながら、組合脱退を条件にしていることからすれば、X1に対する配転は、組合及び同じ職 場にいた執行委員長を嫌悪し、執行委員長とTの分断を図った不当労働行為であるとされた例。

2620 反組合的言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
2623 脱退届け作成・提出強要
(4) 組合員に対する転勤拒否理由等についての報告書及び私用電話についての始末書提出命令、組合員及び執行委員に対する 脱退届提出の強要等の脱退勧奨、執行委員長の除名工作及び上部団体からの脱退強要等の会社の脱退工作は、組合に対する支配介 入であるとされた例。

0700 職場規律違反
1302 就業上の差別
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
(5) 執行委員長X2に研修と称して草刈り等に従事させた人事異動及び同人の解雇は就業規則に違反するものでなかったり、 解雇理由とされるものでない等合理的な理由がなく、組合及びX2の組合活動を嫌悪し、組合の壊滅を企図した行為であり、労働 組合法第7条第1号及び第3号に該当する不当労働行為であるとされた例。

2115 上部団体存在否認
2121 被解雇者
2240 説明・説得の程度
(6) 団体交渉の席上、会社の代表者が、組合の上部団体や解雇した執行委員長の出席を嫌悪する発言を行い、決算書の公開を 拒否する等、会社の実質的な話し合いを拒否する行為は、労働組合法第7条第2号に該当する不当労働行為であるとされた例。

業種・規模  教育(自動車教習所を含む) 
掲載文献  不当労働行為事件命令集119集549頁 
評釈等情報   

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