労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  東海経連商事 
事件番号  三重地労委 平成 9年(不)第1号 
申立人  東海経連労働組合 
被申立人  株式会社東海経連商事 
命令年月日  平成11年10月29日 
命令区分  棄却(命令主文が棄却のみ又は棄却と却下) 
重要度   
事件概要  会社が、(1)組合員2名に対し、茶殻等の清掃作業を業務命令として強制したこと、(2)職場詰所の座席を従業員に指定し、組合員2名と同じテーブルにいた者の座席を変更する等したこと、(3)主任の職制にある者に会員の勧誘を命じて従業員会を再結成させたこと、(4)従業員会の代表者と三六協定を締結したこと、(5)組合との事前協議なく公休日出勤について募集を行い、それらについての団体交渉に応じないこと、(6)派遣労働を命じたこと、(7)組合委員長に対し定年退職後の再雇用を行わなかったことが、それぞれ不当労働行為に当たるとして争われた事件で申立人が主張する会社の各行為は、いずれも不当労働行為には該当しないとして、本件申立を棄却した。 
命令主文  本件申立てを棄却する。 
判定の要旨  2900 非組合員の優遇
会社部長の提案による当番制の詰所の茶殻等清掃作業は、数分程度を要するにすぎず、職場内環境保全のためのモラルとして、管理者も含めた詰所を利用する従業員全員に公平に要請されており、組合員に対し不利益な取扱いをしたものでないことは明白であり、会社による茶殻等の清掃作業の強制が支配介入であるとの組合の主張は理由がなく、失当であるとされた例。

2900 非組合員の優遇
従業員が詰所でどこのテーブルに着席するかは、会社が特に指定したものではなく、各人の意思にまかされており、組合員のテーブルに他の者が着席しなくなったのはそれぞれ事情があり、さらに、会社が、新入り従業員に当該テーブルに着席しないよう指示したことを認めるに足りる疎明もなく、したがって詰所において会社が座席を従業員に指定し、組合員と同じテーブルにいた者の座席を変更する等により組合員を孤立させようとした組合の主張には理由がないとされた例。

2500 別組合の結成・援助
従業員会は、会員相互の親睦を図るとともに、各職場の意見・要望を会社に提示して交渉することを主たる目的として再結成されたもので、従業員の大半が加入し、自主的な運営がなされており、会社が従業員会を再結成させ利用することによって組合に対して支配介入を行った旨の主張は、失当であるとされた例。

2901 組合無視
従業員会の代表委員は、「労働者の過半数」で組織する団体の代表者であり、その代表者との間で締結した三六協定は有効であり、従業員会の代表者が労働者の代表者になり得ず三六協定が無効であることを前提として支配介入を組合が主張するのは、組合の独自の見解にすぎず、理由がなく、失当であるとされた例。

2901 組合無視
公休日出勤の募集については、やむを得ない事情による希望者の募集行為である以上、これをもって、本来、労働者の自主的に決定すべき労働組合の運営に対する使用者の干渉行為が行われたと言えないことは明白であり、また、それらについての団体交渉にも会社は誠実に対応しているとされた例。

5008 その他
組合は、会社が労働大臣の許可を受けず、届出もせず労働者派遣事業を行っている行為は違法行為であると主張するが、会社と派遣先との業務上の契約がこの法律に違反するか否かは、当委員会で判断するところではなく、そもそも組合は、会社の不利益取扱い行為についての主張をせず、失当であるとされた例。

1500 不採用
会社が、定年退職した組合委員長を再雇用しなかったのは、会社の業務が悪化し再雇用する業務上の必要がなくなったためであると推認され、会社が組合の中心的活動家である委員長を企業排除する等不利益な取扱いをしたという組合の主張には理由がないとされた例。

業種・規模  分類不能の産業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集115集665頁 
評釈等情報   

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