概要情報
事件名 |
浅原運輸 |
事件番号 |
千葉地労委 平成11年(不)第3号
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申立人 |
全労連・全国一般労働組合千葉地方本部浅原運輸分会 |
被申立人 |
浅原運輸有限会社 |
命令年月日 |
平成11年12月24日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、組合員X1を、会社の日報等を組合管理にする旨社長あて通告したこと、会社の取引銀行に経理状況の質問状を提出したこと等を理由に懲戒解雇したことが争われた事件で、千葉地労委は、X1に対する懲戒解雇処分の撤回・原職復帰及びバック・ペイを命じた。 |
命令主文 |
被申立人は、申立人組合分会長X1に対する平成11年3月11日付け懲戒解雇処分を撤回し、原職に復帰させるとともに、解雇の翌日から原職に復帰するまでの間に、同人が受けるはずであった賃金相当額を支払わなければならない。 |
判定の要旨 |
0203 職場闘争と業務妨害
組合は、組合員の権利、生活を守るために日報等を組合が管理する旨通告しただけであって、組合は日報等の管理を中止しており、実際に会社権限を侵害したわけではないことから、正当な組合活動の範囲を逸脱したとまではいえないとされた例。
0205 第三者・取引先等への働きかけ
組合が会社の取引銀行に質問状を提出したことは、組合が年末一時金要求に関して行ったものであり、そのことにより会社の信用を毀損したとまでは認められないことから、正当な組合活動の範囲を逸脱したとまではいえないとされた例。
0205 第三者・取引先等への働きかけ
組合は、給与明細書の所得税等に疑問があるので税務署に調査要請する旨会社に通告したものであること、結局調査要請は行わなかったことからすると、組合の行動にやや行き過ぎた点はあるものの正当な組合活動の範囲を逸脱したとまではいえないとされた例。
0700 職場規律違反
日報等の組合管理、取引銀行に対する質問状提出、税務署への調査要請の通告は、いずれも正当な組合活動であると認められ、組合執行委員長X1の懲戒解雇は、結成時から組合を嫌悪していた会社が、組合の先頭に立って積極的に活動するX1を嫌悪して、その正当な組合活動を懲戒事由にあたるとして解雇するとともに、もって組合の弱体化を企図した不当労働行為であるとされた例。
4000 退職金等の受領
X1は退職金を受領しているが、同人は解雇から4日後に不当労働行為救済申立てをして、解雇の不当性を争っており、その後申立ての取下げもしていないことから、退職金の受領はそれによって同人が解雇を承認したものではないとされた例。
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業種・規模 |
廃棄物処理業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集115集479頁 |
評釈等情報 |
 
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