概要情報
事件名 |
三栄紙製品 |
事件番号 |
千葉地労委 平成 8年(不)第3号
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申立人 |
千葉県労働組合なのはなユニオン三栄紙製品分会ほか2名 |
被申立人 |
三栄紙製品株式会社 |
命令年月日 |
平成11年12月13日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、(1)会社解散を決議し、(2)組合員2名を解雇(被解雇者は組合員3名を含む全従業員22名)したことが不当労働行為であるとして争われた事件で、企業解散を偽装と認定することはできない上、解散手続きについて判断する権限もないとして、解散決議の撤回については棄却し、解雇については不当労働行為として認定の上、会社が清算中であり、企業再開を命ずることはできないことなどを理由として、謝罪文の手交のみを命令した。 |
命令主文 |
主 文 1 被申立人は、申立人に対し下記記載内容の謝罪文を速やかに手交しなけれ ばならない。 記 謝 罪 文 千葉県労働組合なのはなユニオン 三栄紙製品分会 千葉県労働組合なのはなユニオン 三栄紙製品分会 組合員 X1 殿 千葉県労働組合なのはなユニオン 三栄紙製品分会 組合員 X2 殿 当社が平成8年6月22日付けでなした解雇は、千葉県労働組合なのはなユニ オン三栄紙製品分会及びその活動を嫌悪し、これに介入するために行った不当労 働行為でありましたので、関係組合、組合員に深く謝罪します。 年 月 日 千葉県船橋市西浦2丁目6番地3号 三栄紙製品株式会社 代表者 精算人 Y1 2 その余の申立ては棄却する。 |
判定の要旨 |
1700 偽装解散
会社解散後、会社は機械類はA社に売却され、A社は会社の前の工場長の勤務先であり、会社の代表取締役が過去に別会社の名前でA社へ仕事を発注した事実は認められるが、A社が会社の主要取り引き先を引き継ぎ、会社の関係者により仕事が行われているとの疎明は無く、偽装解散とはいえないとした例。
1800 会社解散・事業閉鎖
商法違反の解散手続きに基づく企業解散の有効、無効を判断する権限は委員会にはないとして、解散決議の撤回についての請求は棄却した例。
3700 使用者の認識・嫌悪
従業員の労働条件の変更については組合と交渉するという覚え書きがあるのにも拘わらず解雇について一切の事前協議を行わなかったことは、覚え書きに違反し組合を嫌悪し無視した行為であるとされた例。
4402 企業閉鎖・偽装解散と救済
4614 文書手交のみを命じた例
5007 謝罪・陳謝・誓約文の手交・掲示
会社が清算中であり、機会が売却搬出され、業務が停止されており、会社が再開を目論んでいる証拠もない以上、現行法上、企業の再開を命じることはできないとして、謝罪文の手交のみを命じた例。
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業種・規模 |
パルプ・紙・紙加工品製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集115集442頁 |
評釈等情報 |
 
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