概要情報
事件名 |
井阪運輸 |
事件番号 |
大阪地労委 平成 9年(不)第70号
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申立人 |
全日本建設交運一般労働組合大阪府本部南大阪支部 |
被申立人 |
井阪運輸株式会社 |
命令年月日 |
平成11年12月10日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、組合分会の定時退社の申入れ等を理由として、分会員に対し、配車差別を行っていたこと、年末一時金について別組合への回答額から4分の1相当額を減額したことが、それぞれ不当労働行為であるとして争われた事件で、分会員に対し、配車において分会員以外の運転手と差別することがないよう取り扱うこと、年末一時金について、別組合への支給基準と同じ基準により算定される金額と既に仮払いをした額との差額を支払うこと(年率5分加算)、文書手交を命じた。 |
命令主文 |
1 被申立人は、申立人組合井阪運輸分会員(以下「分会員」という)に対し、 配車において分会員以外の運転手と差別することなく取り扱わなければならない。 2 被申立人は、分会員に対し、平成8年年末一時金について、申立外全国交通 運輸労働組合総連合関西地方総支部井阪運輸労働組合組合員への支給基準と同じ 基準により算定される金額と既に仮払いをした額との差額及びこれに年率5分を 乗じた金額を支払わなければならない。 3 被申立人は、申立人に対し、下記の文書を速やかに手交しなければならない。 記 年 月 日 全日本建設交運一般労働組合大阪府本部南大阪支部 執行委員長 X1 殿 井阪運輸株式会社 代表取締役 Y1 当社が、貴組合井阪運輸分会員を平成8年5月27日以降、配車において分会 員以外の運転手と差別して取り扱ったことは、大阪府地方労働委員会において、 労働組合法第七条第一号及び第三号に該当する不当労働行為であると認められま した。今後このような行為を繰り返さないようにいたします。 |
判定の要旨 |
1302 就業上の差別
組合分会員への配車差別は、会社が、赤字である営業所の経営再建への協力を拒否した分会を嫌悪して、組合分会からの申入書の提出を奇貨として、これをスト通告とみなし、貨物輸送の受注を削減し、不利益な配車を続けたものであり、かかる会社の行為は、労働組合法第七条第一号及び第三号に該当する不当労働行為であるとされた例。
1201 支払い遅延・給付差別
会社が、団交において組合分会員に対し、年末一時金について、分会が貨物輸送業務を止めたため減額すると告げたことが認められるが、分会員が貨物輸送業務を止めたものではなく、分会員への支給額を他の従業員より減額した額とすることについて、合理的理由は認められず、本件一時金を全額支給しないことは、労働組合法第七条第一号及び第三号に該当する不当労働行為であるとされた例。
4415 賃金是正を命じた例
年末一時金について、組合及び分会と会社との間で、本件において組合の主張が認められた場合には、会社は、別労組組合員に対する支給基準で計算した額と組合分会員に支払済みの仮払金との差額を支払うことを内容とした確認書が作成されており、別労組組合員と同基準で支給することを命じるのが相当であるとされた例。
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業種・規模 |
道路貨物運送業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集115集424頁 |
評釈等情報 |
 
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