概要情報
事件名 |
小林運輸倉庫 |
事件番号 |
北海道地労委 平成11年(不)第11号
|
申立人 |
全日本運輸一般労働組合北海道地方本部札幌地域支部 |
被申立人 |
小林運輸倉庫 |
命令年月日 |
平成11年12月 6日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
|
事件概要 |
会社が、組合分会が申し入れた労働条件の変更に関する事前協議等についての団体交渉に応じなかったこと及び組合への加入を妨害する内容のビラを掲示したことが不当労働行為に当たるとして争われた事件で、会社に対し、団交の応諾、組合加入を妨害する内容のビラ掲示等による支配介入の禁止及び陳謝文の掲示を命じた。 |
命令主文 |
1 被申立人は、申立人が平成11年4月12日付け及び同年5月24日付けで 申し入れた組合員の解雇・配置転換、安全運転手当の引き去りなど労働条件に関 する事項について速やかに団体交渉に応じなければならない。 2 被申立人は、従業員の組合加入を妨害する内容のビラを掲示するなどして、 組合運営に支配介入してはならない。 3 被申立人は、本件命令後7日以内に縦1メートル、横1.5メートルの白紙 に下記文書を明瞭に記載し、被申立人会社の正面玄関の見やすい場所に10日間 掲示しなければならない。 記 陳 謝 文 当社は、貴組合に対し、正当な理由がないにもかかわらず団体交渉を拒否し、 従業員の組合加入を妨害する内容のビラを掲示しました。当社のこれらの行為は、 北海道地方労働委員会において、労働組合法第七条第二号及び第三号に該当する 不当労働行為であると認定されました。ここに深く陳謝し、今後このような行為 を繰り返さないようにします。 平成 年 月 日(掲示する初日を記載すること。) 全日本運輸一般労働組合 北海道地方本部札幌地域支部 様 株式会社小林運輸倉庫 |
判定の要旨 |
5120 使用者の不出頭
会社は、本件審査において、答弁書、書証及び最終陳述書等を一切提出せず、またすべての調査・審問期日に欠席した例。
2302 労務管理・労使関係
会社が、正当な理由を示さずに組合が申し入れた労働条件に関する事項についての団交を拒否しているのは、労組法七条二号に該当する不当労働行為であるとされた例。
2620 反組合的言動
会社内に従業員の組合加入を妨害する内容のビラが掲示されたことについて、従来から社内に文書等を貼る場合は社長の了解を得ていたこと、2ヶ月余の長期間公然と掲示されていたこと及び内容が組合活動を抑制するものであり、文書掲示後約20名が組合を脱退したことなどを総合すると、本件は、会社が組合分会の結成を嫌悪し、組合組織の拡大を妨害する意図で行ったことは明らかであり、労組法七条三号に該当する不当労働行為であるとされた例。
|
業種・規模 |
道路貨物運送業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集115集417頁 |
評釈等情報 |
 
|