概要情報
事件名 |
野村證券 |
事件番号 |
東京地労委 平成 4年(不)第81号
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申立人 |
野村證券労働組合 |
申立人 |
X1 |
被申立人 |
野村證券株式会社 |
命令年月日 |
平成11年10月 5日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、組合員X1に対し、婦人証券貯蓄係契約の更新を拒否したことが、不当労働行為であるとして争われた事件で、原職復帰、婦人証券貯蓄係にあるものとしての取扱い、原職復帰までの間の月例賃金および一時金相当額の支払い、原職復帰までの期間について、退職餞別金および永年勤続表彰における勤続年数への算入、厚生年金および厚生年金基金加入資格が継続するよう所要の措置、文書掲示、履行報告を命じた。 |
命令主文 |
1 被申立人野村證券株式会社は、申立人X1に対し、次の措置を含め、平成4年5月28日および同年6月12日に行った契約更新拒否の意思表示がなかったものとして取り扱わなければならない。 (1)原職に復帰させること。 (2)平成4年7月1日以降も婦人証券貯蓄係にあるものとして取扱い、同人に対して、平成4年7月1日以降原職復帰までの間の月例賃金および一時金相当額を支払うこと。 (3)平成4年7月1日以降原職復帰までの期間を退職餞別金および永年勤続表彰における勤続年数に算入すること。 (4)平成4年7月1日以降も厚生年金および厚生年金基金加入資格が継続するよう所要の措置を講ずること。 2 被申立人会社は、本命令書受領の日から1週間以内に、55センチメートル×80センチメートル(新聞紙2頁大)の大きさの白紙に下記の内容を楷書で明瞭に墨書して、被申立人会社の本社正面玄関および同社大津支店の従業員に見やすい場所に10日間掲示しなければならない。 記 年 月 日 野村証券労働組合 執行委員長 X2 殿 野村證券株式会社 代表取締役 Y1 当社が、貴組合員X1氏に対し、平成4年6月30日をもって婦人証券貯蓄係契約を更新しなかったことは、不当労働行為であると東京都地方労働委員会において認定されました。今後このような行為を繰り返さないよう留意します。 (注:年月日は文書を掲示した日を記載すること。) 3 被申立人会社は、前各項を履行したときは、すみやかに当委員会に文書で報告しなければならない。 |
判定の要旨 |
1106 契約更新拒否
会社が、中期国債の募集申込みの件など、処分に値しない程度の禁止違反行為について譴責処分等を行い、これを理由にX1の契約更新を拒否したのは、X1を会社から排除することによって同人の影響力を排除するとともに、組合加入を検討している婦人証券貯蓄係への抑止効果を狙って行ったものとみざるを得ず、よって本件契約更新拒否は、労働組合法第七条第一号および第三号に該当するとされた例。
4400 原職相当職への復帰を命じたもの
4407 バックペイの支払い方法
原職復帰までの間の賃金相当額の算定に当たっては、実績により額の異なる実績手当については、契約更新拒否直前の3カ月の平均額により算出するものとし、勤続年数により異なる業務手当、一時金については原職復帰までの期間を勤続年数に算入して計算した額とするとされた例。
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業種・規模 |
金融業、保険業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集115集74頁 |
評釈等情報 |
 
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