事件名 |
岡惣 |
事件番号 |
中労委 平成 9年(不再)第6号
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再審査申立人 |
株式会社岡惣 |
再審査被申立人 |
総評・全日本建設運輸連帯労働組合小千谷支部 |
命令年月日 |
平成11年 8月 4日 |
命令区分 |
一部変更(初審命令を一部取消し) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、(1)組合の申し入れた希望退職募集、有限会社イズミ産業
の設立問題及び組合員2名の配置転換に関する団体交渉に誠実に応じなかったこと、(2)組合と事前に協議することなく、組合
員2名を配置転換したことが争われた事件で、会社に対し、誠実な団体交渉の実施及び文書手交を命じ、配置転換にかかる申立て
等その余の救済申し立てを棄却した。初審命令主文を一部変更し、その余の再審査申立てを棄却した。 |
命令主文 |
I 初審命令主文第一項及び第二項を次のとおり変更する。
1 再審査申立人株式会社岡惣(以下「会社」という。)は、再審査被申立人
総評・全日本建設運輸連帯労働組合小千谷支部(以下「組合」という。)との間
の希望退職募集に関する団体交渉においては、経営状態を把握し得る資料を提示
し、具体的に説明をして、誠実に交渉しなければならない。
2 会社は、組合との間の有限会社イズミ産業の設立に関する団体交渉におい
ては、その設立の結果組合員の労働条件に影響を及ぼす事項について交渉に応じ
なければならない。
3 会社は、組合との間のX1及びX2の配置転換に関する団体交渉においては、
その理由を具体的に説明して、誠実に交渉しなければならない。
4 会社は、組合に対し、この命令書交付の日から7日以内に下記の文書を手
交しなければならない。
記
平成 年 月 日
総評・全日本建設運輸連帯労働組合小千谷支部
執行委員長 X3 殿
株式会社岡惣
代表取締役 Y1
当社が、貴組合との間の(1)希望退職募集に関する団体交渉において、経営
に関する資料を提示し、具体的に説明をせず、誠実に交渉しなかった行為、(2)
有限会社イズミ産業の設立に関する団体交渉において、その設立の結果組合員の
労働条件に影響を及ぼす事項について交渉に応じなかった行為、及び(3)X1及
びX2の配置転換に関する団体交渉において、その理由を具体的に説明せず、誠実
に交渉しなかった行為は、中央労働委員会において労働組合法第七条第二号に該
当する不当労働行為であると認められましたので、今後このような行為を繰り返
さないように留意します。
II その余の再審査申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
2249 その他使用者の態度
希望退職募集に関する団交において、必要性を根拠づけるために経営状態等を示す資料を必要な範囲内で提示せず、提示要求に応
じられない資料は理由を説明する等努力したものとは認められず、不誠実団交であるとされた例。
2240 説明・説得の程度
会社からの出資割合が30~50%に及ぶイズミ産業問題に関する団交申入れに対し、同産業の設立の結果組合員の労働条件に影
響を及ぼす事項について説明をしていないことは団交拒否であるとされた例。
2249 その他使用者の態度
配置転換に関する団交において、必要性、人選の理由を具体的に説明しなかったことが不誠実団交であるとされた例。
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業種・規模 |
非鉄金属製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集114集626頁 |
評釈等情報 |
中央労働時報 1999年12月 960号 17頁
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