労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  西日本旅客鉄道(西労広島懲戒処分等) 
事件番号  広島地労委 平成 6年(不)第7号-2 
申立人  X2 
申立人  X1 
申立人  ジェーアール西日本労働組合広島地方本部 
申立人  ジェーアール西日本労働組合 
被申立人  西日本旅客鉄道株式会社 
命令年月日  平成11年 7月14日 
命令区分  一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) 
重要度   
事件概要  本件は、会社が、(1)岩国運転区設置に伴う配転の事前通知書の交付に際しての抗議行動を理由に、平成6年9月に組合員7名を減給処分等に付したこと、(2)列車遅延等を理由に、同年10月28日付けで分会長を出勤停止処分に付し、また、同人に対して同年12月2日付けで出向を命じたこと、(3)同5年12月に組合員2名に対して配転を命じたこと、(4)同6年2月に組合員6名に対して配転を命じたこと等が争われた事件で、大阪地労委は、会社に対し、分会長に対する出勤停止処分がなかったものとしての取扱い、同人に対するバックペイ及び同人に対する出向発令についての文書手交を命じ、その余の申立てを棄却した。 
命令主文  1 被申立人は、申立人X2に対して、次の措置を講じなければならない。
(1)申立人X2に対する平成6年10月28日付けの30日間の出勤停止処分が
なかったものとして取り扱うこと。
(2)申立人X2に対して、どう処分がなかったとすれば受けるはずであった賃金
及び期末手当の額と既支給額の差額相当額を支払うこと。ただし、本命令交付の
日までの分については、半額を控除して支払うこと。
2 被申立人は、本命令交付後、速やかに申立人組合及び申立人X2に対して、
下記の文書を交付しなければならない。
                 記
 当社が、貴組合に所属する組合員X2に対して、平成6年12月2日付けで中国
交通事業株式会社に出向発令したことは、不当労働行為であると広島県地方労働
委員会において認定されました。
 今後は、このような行為を繰り返さないようにいたします。

 平成 年 月 日
 ジェーアール西日本労働組合
   中央執行委員長    X4   殿
 ジェーアール西日本労働組合広島地方本部
   執行委員長      X5   殿
                西日本旅客鉄道株式会社
                 代表取締役社長     Y1   印
3 申立人らのその余の申立ては、棄却する。 
判定の要旨  0125 組織・職場活動(含証人の行為)
0203 職場闘争と業務妨害
岩国運転区の設置等に対する本件抗議行動は、総体としては、正当な組合活動であるとはいいがたいとされた例

1400 制裁処分
組合員7名に対する本件各処分は不当なものではなく、組合活動への支配介入、組合役員に対する不利益取扱いとは認められず、不当労働行為には該当しないとされた例

1400 制裁処分
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
X2分会長の一連の言動は就業規則違反に該当する非違行為であるが、同文会長に対する本件出勤停止処分は蚕についで思い処分であり、非違行為に比して不当に過重な処分である事は明白で、このことは会社が懲戒処分に菜を借りて長年分会の指導者として活動してきた同分会長を不利益に扱うとともに、これにより同分会の弱体化を図り、ひいては組合の運営に支配介入する行動組合法第七条第一号及び第三号に該当する不当労働行為であるとされた例

1301 出向
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
X2分会長に対する本件出向命令は、本件出勤停止処分と同様に不当労働行為意思があったものと判断でき、労働組合法第七条第一号及び第三号に該当する不当労働行為であるとされた例

1300 転勤・配転
X5ら組合員8名に対する本件各配転命令は、業務上の必要性が認められ、人選の基準や具体的基準についても不当なところは認められず、手続などについても格別問題とすべき事実は認められないので、これを不当労働行為と主張する組合らの主張は採用しがたいとされた例

1302 就業上の差別
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
運転有資格者の運転士登用は、業務状況を勘案しながら、支社内における要員需給や円滑な業務運営を考えて実施したものであるという会社の主張には合理性が認められ、これにより組合員を動揺させることによって脱退を促すことにはならないし、ひいては組合を破壊する会社の人事運用・労働組合対策の一つであるともいえないから、不当労働行為とは認められないとされた例

4407 バックペイの支払い方法
X2分会長に対する本件出勤停止処分は過重な処分であるが故に不当労働行為を認定したものであり、今後の労使関係を考慮して、バックペイの額の算定に当たり、本命令交付の日までの分については、半額を控除することを相当とされた例

業種・規模  鉄道業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集114集177頁 
評釈等情報   

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