概要情報
事件名 |
瀬戸内工業 |
事件番号 |
大阪地労委 平成 9年(不)第30号
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申立人 |
全日本港湾労働組合関西地方築港支部 |
申立人 |
個人X2 |
申立人 |
個人X1 |
被申立人 |
瀬戸内工業株式会社 |
命令年月日 |
平成11年 7月 6日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、(1)組合員X1を、運転者から車両整備係に配転したこと、(2)組合員X2の乗車指示を減少させたこと、(3)X1及びX2に対し、会社事務所及び更衣室の自由使用を妨害したことが、それぞれ不当労働行為であるとして争われた事件で会社事務所及び更衣室を他の従業員と同様の方法で使用させなかったことについて、不当労働行為であると認め、文書手交を命じ、その他の申立は棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、申立人に対し、下記の文書を速やかに手交しなければならない。 記 年 月 日 全日本港湾労働組合関西地方築港支部 執行委員長 X3 殿 瀬戸内工業株式会社 代表取締役 Y1 当社が貴組合員X1氏及び同X2氏に対し、会社事務所については平成8年12月 13日から同9年11月19日までの間、更衣室については同8年12月13日 から同月27日までの間、他の従業員と同様の方法による使用をさせなかったこ とは、大阪府地方労働委員会において労働組合法第七条第1号及び第三号に該当 する不当労働行為であると認められました。今後このような行為を繰り返さない ようにいたします。 2 申立人らのその他の申立ては棄却する。 |
判定の要旨 |
1300 転勤・配転
組合員X1について、現場への出動業務命令を拒否したこと、作業中事故を起こし、被害者に謝罪もせず会社に報告もしないまま現場を離れて帰社しようとしたこと、配転日までの欠勤が多かったこと、会社に無断で欠勤したため会社の取引先に迷惑が掛かり会社の信用を傷つけたことが認められ、会社が、運転手として適任ではないと判断し、取引先等と接しない「車両整備係」に本件配転を行ったことは正当な理由があり、不当労働行為とは認められないとされた例。
1302 就業上の差別
組合員X2について、バキュームカーのタンク内で生コン汚泥を凝固させたまま一ヶ月間放置したこと、欠勤が多かったこと、時間外の作業を拒否したことにより現場の作業が中断し会社の信用が傷つけられたことが認められ、会社が、組合員X2を運転手として適任ではないと判断し、配車を減少させる措置をとったことには正当な理由があり、不当労働行為とは認められないとされた例。
1601 福利厚生上の差別
2803 その他
組合員に対し事務所等に立ち入らせない措置を講じたことは、会社が組合を嫌悪していたことを併せ考えると、会社の行為は、事務所等を使用させないことによって精神的圧迫を加え、組合を弱体化することを企図してなされたものであって、不当労働行為であるとされた例。
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業種・規模 |
廃棄物処理業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集114集138頁 |
評釈等情報 |
 
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