概要情報
事件名 |
秀和運輸 |
事件番号 |
中労委 平成 9年(不再)第1号
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再審査申立人 |
秀和運輸株式会社 |
再審査被申立人 |
全日本運輸一般労働組合南大阪支部 |
命令年月日 |
平成11年 2月 3日 |
命令区分 |
一部変更(初審命令を一部取消し) |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、組合が平成6年6月8日付けで申し入れた議題(同年夏季一時金に関する議題を除く。)及び同年10月29日付けで申し入れた同年年末一時金に関する団体交渉において、会社が、実質的交渉権限のない者を出席させ、誠意をもって対応しなかったことが争われた事件で、会社に対し、(1)実質的交渉権限を有する者を出席させ、誠実に応じること、(2)文書手交を命じた初審命令の一部を変更し、(1)未解決事項について、組合の理解を得られるための根拠を具体的に説明し、それに必要な資料等を提示しなければならず、その際には、関西営業所長に対し交渉担当者として誠実に対応することを指示し、あるいは同所長以外の適任者を交渉担当者に選任するなどして、誠意をもって応じること、(2)文書手交、を命じ、その余の再審査申立てを棄却した。 |
命令主文 |
主 文 I 初審命令主文第1項を次のとおり変更する 1 被申立人は、申立人による平成6年6月8日付け及び同年10月29日付 けの団体交渉の申入れに係る交渉事項のうち未解決の事項について、申立人の理 解を得られるための根拠を具体的に説明し、それに必要な資料等を提示しなけれ ばならず、その際には、関西営業所長に対し交渉担当者として誠実に対応するこ とを指示し、あるいは関西営業所長以外の適任者を交渉担当者に選任するなどし て、誠意をもって応じなければならない。 II 初審命令主文第2項の記中、「平成6年6月8日付け及び同年10月29 日付けで申入れのあった議題に係る団体交渉において、実質的権限を有する者を 出席させず、」を「平成6年6月8日付け及び同年10月29日付けの団体交渉 の申入れに係る交渉事項のうち未解決の事項について、」、「X1」を「 X2」、「大阪府地方労働委員会」を「中央労働委員会」に改める III その余の本件再審査申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
2120 交渉委任
2240 説明・説得の程度
2248 実質的権限のない交渉担当者
会社が関西営業所長に交渉権限を委任していたとしても、同所長がその権限を行使するに当たり不誠実な態度をとり、しかも組合が同所長の不誠実な態度に抗議をしているにもかかわらず、同所長に適切な指示をするなどの対策を講じなかった会社の態度は不当労働行為に当たるとされた例。
2300 賃金・労働時間
4300 労組法7条2号(団交拒否)の場合
年末一時金に関して組合が同意しているわけでもなく、仮払を受けたからといってさらに団交を行う意義が失われたとも認められないことから、同一時金に関して団交応諾を求める救済利益を失っている旨の会社の主張は採用できないとされた例。
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業種・規模 |
道路貨物運送業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集113集677頁 |
評釈等情報 |
中央労働時報 1999年5月 953号 15頁 
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