労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  秋草学園 
事件番号  埼玉地労委 平成 6年(不)第4号 
申立人  秋草学園教職員組合 
申立人  個人X1 
被申立人  学校法人秋草学園 
命令年月日  平成11年 1月28日 
命令区分  一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) 
重要度   
事件概要  学園が、学園の短期大学助教授であった組合員の委員長に対し、(1)教員として不適格であるとして「分限解雇処分」を行ったこと、(2)組合がこの処分決定前に申し入れた委員長の教授昇任資格審査保留および処分に関する団交に応じなかったこと、が不当労働行為であるとして争われた事件で、埼玉地労委は、分限解雇処分の撤回、原職復帰、バックペイを命じることで救済は足りるとした。 
命令主文  1 被申立人は、申立人X1に対して行った分限解雇処分を撤回し、個人を秋草学園短期大学助教授の職に復帰させるとともに、解雇がなかったならば解雇の日の翌日から復帰する日までの間に支払われるはずであった賃金相当額を同人に支払わなければならない。
2 申立人らのその余の申立ては、これを棄却する。 
判定の要旨  0800 経歴詐称
3501 労働者の行為と不利益取扱の時期との関連
3606 労働者のみの責任とすることが不当な場合
申立人が短大専任講師資格審査を受けるため文部省に提出した履歴書に、事実と異なる記載がされていたことを学園側は認識しており、さらに、履歴書の記載内容について詳しく検討していたことが認められ、そのことを16年経過後、本人のみの責任として解雇理由とすることはできないとされた例。

0700 職場規律違反
学園の諸規定整備が、解雇処分を正当化するために行われたものであるとされた例。

1107 その他
3501 労働者の行為と不利益取扱の時期との関連
3607 労働者の行為と不利益取扱の程度との関連
申立人の言動には反省すべきものがあったが、学園は10年経過したものまで問題にしており、公平さに欠け、また、組合活動として学園の民主化を求めるものも多く含まれており、反省の機会を与えることなくいきなり解雇処分に付すほど教員としての適正を欠いていたとは認められないとされた例。

3700 使用者の認識・嫌悪
学園は、従来から組合活動を嫌悪しており、その中心人物である申立人を学外へ排除しようと機をうかがっていたとされた例。

2249 その他使用者の態度
2301 人事事項
申立人に対する処分に関しては、学園の専権事項であり、組合との団体交渉で決めるべき事項ではないとし団交を拒否することは不当な行為ではないが、教授昇任資格審査を保留したことについてまで、団体交渉を拒否することは不当労働行為であるとされた例。

4401 原職復帰と他の措置を併せて命じたもの
4407 バックペイの支払い方法
4503 他の救済との関係で団交の必要性を認めなかった例
4603 その他
申立人に対する解雇を撤回し、原職復帰させるとともに、解雇が無かったならば解雇の日の翌日から復帰する日までの間に支払われるはずであった賃金相当額の支払いを命じた例。

業種・規模  教育(自動車教習所を含む) 
掲載文献  不当労働行為事件命令集113集92頁 
評釈等情報   

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