フットワークエクスプレス(概要情報)

労働委員会命令データベース

（この事件の全文情報は、このページの最後でご覧いただけます。）

［命令一覧に戻る］

**概要情報**
事件名	フットワークエクスプレス
事件番号	大阪地労委　平成 9年（不）第7号
申立人	全日本運輸一般労働組合フットワークエクスプレス新労組支部
被申立人	フットワークエクスプレス株式会社
命令年月日	平成10年12月 8日
命令区分	一部救済（命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む）
重要度
事件概要	（1）申立人組合の書記長を、エアソフトガンの発射により同僚に傷害をおわせたことを理由に、懲戒解雇したこと、（2）会社は申立人組合員及びその家族に対して、支店長を通じて夏季一時金は組合をかわれば支給されると思わせる言動をし、申立人組合を脱退するよう勧奨したこと、（3）会社が部長名の文書で全国の事業所に対し、勤務時間中の組合活動は禁止されているとして、ビラの配布及び受取の禁止、廃棄等を指示したことが不当労働行為であるとして争われた事件で、大阪地労委は、解雇がなかったものとしての取扱い、（2）についての文書手交及び掲示を命じ、（3）については申立てを棄却した。
命令主文	主　　　　　　　　　　文 1　被申立人は、申立人Ｘ1に対し、平成8年10月17日に行った懲戒解雇がなかったものとして取り扱わなければならない。 2　被申立人は、申立人全日本運輸一般労働組合フットワークエクスプレス新労組支部に対し、下記の文書を速やかに手交するとともに、1メートル×2メートル大の白色板に同文を黒色文字で明瞭に記載して、被申立人本社事務所（大阪市中央区北久宝寺町4丁目4番2号）玄関付近の従業員の見やすい場所に1週間掲示しなければならない。　　　　　　　　　　　　　　　　　記　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　年　月　日　全日本運輸一般労働組合フットワークエクスプレス新労組支部　　委員長　Ｘ2　殿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　フットワークエクスプレス株式会社　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　代表取締役　Ｙ1 　当社が行った下記の行為は、大阪府地方労働委員会において、労働組合法第7 条第3号に該当する不当労働行為であると認められました。今後このような行為を繰り返さないようにいたします。　　　　　　　　　　　　　　　　　記（1）平成8年7月2日、当社阪神支店長が元貴組合員Ｘ3氏に対し、同年夏季一時金が支給されない旨を述べたこと。（2）平成8年7月初旬、当社北九州支店長が貴組合執行委員長Ｘ4氏の自宅を訪問し、同氏の家族に対し、同氏を説得して貴組合から脱退させるように述べたこと。（3）平成8年7月10日及び同月14日、当社北九州支店長が元貴組合員Ｘ5 氏の自宅を訪問し、同氏及びその家族に対し、同氏の貴組合からの脱退を勧めたこと。 3　申立人のその他の申立ては棄却する。
判定の要旨	0600　暴力行為 3607　労働者の行為と不利益取扱の程度との関連 4400　原職相当職への復帰を命じたものＸ1書記長に対する、同人がエアソフトガンの発射により同僚に傷害を負せたことを理由とする懲戒解雇は、会社が同人の組合活動を嫌悪したがゆえに、同人に対して懲戒処分の相当性の範囲を超えて懲戒解雇という最も重い処分を課したと判断するのが相当であり、かかる会社の行為は、同人に対する不利益取扱いであるとともに組合の運営に対する支配介入であるとされた例。 2610　職制上の地位にある者の言動 2621　個別的示唆・説得・非難等 3410　職制上の地位にある者の言動Ｙ2支店長及びＹ3支店長が、同8年春闘交渉を巡って労使が対立している状況で、組合員宅へ訪問し、組合からの脱退を慫慂したことは、会社が、家庭訪問を決定していることからみて、会社の意を体してなされた不当労働行為であるとされた例。 2620　反組合的言動（1）Ｙ4部長名の文書は、組合の正当な教宣活動を阻害するおそれはあるものの、会社組織内部の連絡文書であって、組合又は組合員に向けられたものではないこと、（2）同文書は、就業規則上就業時間中の組合活動が禁止されているとした上で、本件指示により就業中の従業員に対する組合ビラの配布、受取の禁止を周知徹底したものであることが認められ、労働協約上、協定した掲示板以外の会社施設に組合ビラを掲示・貼付することは認められないことなどから、不当労働行為ではないとされた例。
業種・規模	道路貨物運送業
掲載文献	不当労働行為事件命令集112集472頁
評釈等情報

［先頭に戻る］


［全文情報］	この事件の全文情報は約321KByteあります。また、PDF形式になっていますので、ご覧になるにはAdobe Reader（無料）のダウンロードが必要です。