概要情報
事件名 |
レオン自動機(減給処分) |
事件番号 |
栃木地労委 平成 9年(不)第1号
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申立人 |
全日本金属情報機器労働組合 |
申立人 |
全日本金属情報機器労働組合栃木地方本部レオン自動機支部 |
申立人 |
全日本金属情報機器労働組合栃木地方本部 |
再審査被申立人 |
レオン自動機株式会社 |
命令年月日 |
平成10年 8月 6日 |
命令区分 |
棄却(命令主文が棄却のみ又は棄却と却下) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、平成8年春闘において、就業時間中に組合員が腕章を着用したことは就業規則違反であるとして組合三役を減給処分としたことが争われた事件で、栃木地労委は申立てを棄却した。 |
命令主文 |
本件申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
0201 就業時間中の組合活動(含職場離脱)
0203 職場闘争と業務妨害
0210 リボン・ワッペン等の着用
就業時間中の腕章着用が団結権ないし団体行動権の保障を受け適法であるためには、当該腕章着用が労働組合の行為として正当なものでなければならず、その正当性の判断に当たっては、労使慣行の有無や職務専念義務に違反するか否か、また、使用者の業務を阻害するものであるか否かについて具体的に検討しなければならないとされた例。
0210 リボン・ワッペン等の着用
会社が5年間組合の腕章着用に対して中止申入れも処分も行わなかったのは、労委に事件が係属中であったために差し控えたもので、また、その審査手続の中で腕章着用を採り上げ一貫してその正当性を否定していたのであるから、会社が組合の腕章着用を承認、あるいは少くとも黙認していたものとは認めることはできず、腕章着用は慣行として成立していたとの主張は採用できないとされた例。
0201 就業時間中の組合活動(含職場離脱)
0210 リボン・ワッペン等の着用
一般に、労働者は労働契約を締結することにより、就業時間中は職場規律を守り使用者の指揮に服して労務の提供を行うべき職務専念義務を負うものであり、就業時間中の組合活動は、使用者の明示・黙示の承諾があるかまたは労使間の慣行上許されている場合のほかは、原則として職務専念義務に違反するものであるとされた例。
0201 就業時間中の組合活動(含職場離脱)
0210 リボン・ワッペン等の着用
会社が組合の腕章着用を承認ないし黙認していた事実も、また、慣行として成立していた事実も認められない以上、組合員の就業時間中における腕章着用は、たとえ労務の提供に具体的な支障がなくても、職務専念義務に違反するものと言わざるを得ないとされた例。
0201 就業時間中の組合活動(含職場離脱)
0203 職場闘争と業務妨害
0210 リボン・ワッペン等の着用
生産現場における腕章着用は、顧客等が訪れて工場見学していることから、接客業務に従事する従業員の腕章着用と異なるところはなく、顧客等の多くは、従業員の職務に対する姿勢に疑問を持ち、ひいては会社の生産体制に危惧を有することとなり、会社の対外的信用の低下は避けられない。また、同じ生産現場に働く非組合員に対しても違和感や不快感を与えることになり、たとえ会社の生産性や効率性が低下しなくても、会社の業務を阻害しているものと言わざるを得ないとされた例。
0210 リボン・ワッペン等の着用
1203 その他給与決定上の取扱い
3601 処分の程度
本件腕章着用は正当な組合活動とは認められず、会社の組合三役に対する懲戒処分は止むを得なかったものである。しかし、会社の懲戒権の行使がその必要性、相当性の範囲を超えてなされた場合には、組合に対し不当労働行為が成立する場合がある。本件懲戒処分は、平均賃金の1を超えない金額であって、就業規則違反の懲戒処分としては最も軽い処分であるので、本件懲戒減給処分は、必要性、相当性の範囲を超えてなされたものではないとされた例。
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業種・規模 |
一般機械器具製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集111集231頁 |
評釈等情報 |
月刊労委労協 一木 明 1998年10月11日 511号 5頁 
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