労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  新光美術(所属替え) 
事件番号  大阪地労委 平成 7年(不)第16号 
申立人  全労連・全印総連大阪地連新光美術労働組合 
被申立人  株式会社新光美術 
命令年月日  平成10年 6月10日 
命令区分  全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) 
重要度   
事件概要  会社が組合との間で組合三役の異動については事前に協議する、配置転換は内示と同時に組合に通知する旨合意していたにもかかわらず、(1)平成6年6月27日組織の変更に際し、入社以来20余年にわたり、外勤の営業を行っていた組合副委員長を内勤のフィルム等の管理へと担当する業務を変更したこと、(2)平成6年6月15日に組合加入を会社へ通知した組合員X1の担当する業務を製版、印刷作業の工程表の作成から配送課に所属替えし、約500メートル離れた所で従事させたことについて、会社が組合との事前協議も内示の通知も行わなかったことが不当労働行為であるとして申立てのあった事件で、大阪地労委は、組合員X1が退職したことから、副委員長の所属替えがなかったものとしての取扱い及び文書手交を命じた。 
命令主文  1 被申立人は、申立人組合員X2に対する平成6年7月1日付けの被申
立人茨木本部営業部作業課への所属替えがなかったものとして取り扱わなければ
ならない。
2 被申立人は申立人に対し、下記の文書を速やかに手交しなければならない。
                 記
                             年 月 日
 全労連・全印総連大阪地連新光美術労働組合
  執行委員長 X3殿
                     株式会社新光美術
                      代表取締役 Y1
 当社が平成6年7月1日付けで、貴組合員X2氏を当社茨木本部営業部
作業課に、及び元貴組合員X1氏を同部配送課にそれぞれ所属替えしたこと
は、大阪府地方労働委員会において労働組合法第7条第1号及び第3号に該当す
る不当労働行為であると認められました。今後このような行為を繰り返さないよ
うにいたします。 
判定の要旨  1300 転勤・配転
労組三役の異動について事前協議を行う趣旨からみて、同一部内の所属替えであっても、所属する課が変更され、担当する業務が外勤の営業から内勤のフィルム管理へと変更された場合、組合三役としての活動に何らかの影響を与えることは十分考えられ、事前協議の対象となる異動に該当し、不当労働行為にあたるとされた例。

1300 転勤・配転
同一部内の所属替えであっても、所属する課が変更され、担当業務が印刷工程の管理から在庫管理へと変更され、勤務場所が同敷地内の本部から約500メートル離れたところになった場合、労使合意に基づき組合員への内示と組合への通知をなすべき配置転換に該当するのに、しなかったことは不当労働行為にあたるとされた例。

3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
労使間に激しい緊張関係がある状況で、会社が、(1)組合副委員長に対して、不自然な担当替えを繰り返し、その延長線上で長年従事した外勤の営業を外し、業務形態の全く違う内勤のフィルム管理に従事させたこと及び(2)新たに加入した組合員1名に対し、組合加入通知2週間後に、印刷工程管理から勤務場所が同敷地内の本部から約500メートル離れ、配置人員も2名である倉庫業務に変更したことは、組合副委員長らを嫌悪し、不利益に取り扱うことにより組合の弱体化を企図した不当労働行為に当たるとされた例。

業種・規模  出版・印刷・同関連産業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集111集41頁 
評釈等情報   

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