概要情報
事件名 |
ブックローン(賃金差別等) |
事件番号 |
兵庫地労委 平成 3年(不)第4号
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申立人 |
全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部 |
申立人 |
X1 他個人5名 |
申立人 |
全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部ブックローン分会 |
被申立人 |
ブックローン株式会社 |
命令年月日 |
平成10年 4月21日 |
命令区分 |
棄却(命令主文が棄却のみ又は棄却と却下) |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、会社が執行委員長X1ら6名の組合員の組合活動を嫌悪し、同人らに対し、(1)昭和57年から不当に低い評価、等級に据え置き、賃金差別を繰り返していたこと、(2)同63年3月及び4月に春闘要求実現のためとして就業時間中にワッペン等を着用したことを理由に譴責処分とし、直後の63年度上期賞与の考課において最低ランクの評価を行ったことが、争われた事件で、兵庫地労委は、(1)組合分会の申立てを申立人適格欠如により却下し、(2)昭和63年度以前の賃金の是正及び譴責処分については期間徒過により却下し、その余の申立ては棄却した。 |
命令主文 |
1 申立人全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部ブックローン分会の申立ては、これを却下する。 2 申立人全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部、同X1、同X2、同X3、同X4、同X5及び同X6の申立てのうち、申立人X1、同X2、同X3、同X4、同X5及び同X6の昭和63年度以前の等級格付けの是正、同年度以前の昇給考課の是正及び平成2年度上期賞与考課以前の賞与考課の是正、これらを基礎とする賃金及び賞与の額の是正並びに昭和63年6月7日付譴責処分の取消しに関する申立てについては、いずれも却下する。 3 その余の申立ては、これを棄却する。 |
判定の要旨 |
4820 単一組織の支部・分会等
5140 資格審査
申立人分会は、独自の規約を有しておらず、また、組合としての独自の活動を行っていないからその団体性に欠けるので、労組法第2条に規定する組合とは認められないとして却下された例。
1200 降格・不昇格
1202 考課査定による差別
5200 除斥期間
5201 継続する行為
申立人らに対する等級格付け及び人事考課査定は、毎年個別に行われており、過去の格付け及び査定との間の関連性について具体的な疎明もなされていないことから、たとえ同人らに外形的に低査定等の行為が毎年繰り返されていたとしても、それぞれ独立した行為であるとみるのが相当であるとして、格付けの是正及び人事考課の是正並びにこれらを基礎とする賃金及び賞与の額の是正に係る申立てが、適法であると判断される時期を除いて申立期間の徒過により却下された例。
1400 制裁処分
5200 除斥期間
譴責処分の取消し及びこれを理由とした上期賞与の低査定の取消しに係る申立てが、申立期間を徒過しており、不適法なものとして却下された例。
3700 使用者の認識・嫌悪
会社が申立人らの加入する組合を嫌悪しているとする申立人らの主張が、申立人らの列挙する会社の過去の行為のみをもって、会社が当該組合を嫌悪し、その組合活動を妨害しようとする意図を有していたとまではいえないとして斥けられた例。
5121 挙証・採証
会社が人事考課の評価基準を明らかにしない場合、勤続年数からみて、一見して低い格付け、低い評価しか行っていない労働者については、評価の合理性を会社が主張し立証しない限り、不当な格差が存するとすべきであるとする申立人らの主張が、格差の存否及びその不当性については、不当労働行為であるとする申立人らに立証責任があるとして斥けられた例。
1200 降格・不昇格
1202 考課査定による差別
組合員X1ら6名の等級格付け及び考課査定を低くすることにより、同人らに対し賃金差別を繰り返す会社の行為は労組法第7条第1号及び第3号に該当する不当労働行為であるとする申立人らの主張が採用されず、申立てが棄却された例。
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業種・規模 |
卸売業、小売業、飲食店 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集110集577頁 |
評釈等情報 |
 
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