概要情報
事件名 |
土井商行 |
事件番号 |
東京地労委 平成 7年(不)第55号
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申立人 |
全国一般東京一般労働組合 |
被申立人 |
株式会社土井商行 |
命令年月日 |
平成10年 4月 7日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、会社が、(1)組合との間でチェック・オフ等を内容とする合意を翻し協定書の調印を拒否したこと、(2)組合員2名に対して、組合からの脱退を慫慂したことが、不当労働行為であるとして争われた事件で、東京地労委は、(1)について団交応諾、(1)及び(2)について文書手交を命じた。 |
命令主文 |
1 被申立人株式会社土井商行は、申立人全国一般東京一般労働組合が平成7年 4月20日に提示した便宜供与に関する協定案に基づき、合意の達成に向けて、 同組合と誠実に団体交渉を行わなければならない。 2 被申立人会社は、本命令書受領の日から1週間以内に、下記内容の文書を申 立人組合に交付しなければならない。 記 年 月 日 全国一般東京一般労働組合 執行委員長 X1 殿 株式会社土井商行 代表取締役 Y1 当社が、(1)便宜供与に関し、貴組合が当事者となる協定の締結に応じな いことにより団体交渉を拒否したこと、(2)組合の結成を非難して、課長職に 在る者の組合加入を非難した研修講師の発言について、貴組合の抗議にもかかわ らず何ら釈明せず、これを放置したことは、いずれも不当労働行為であると東京 都地方労働委員会において判断されました。 今後、このような行為を繰り返さないよう留意します。 (注:年月日は文書を交付した日を記載すること。) |
判定の要旨 |
2115 上部団体存在否認
2306 便宜供与
2902 労組法7条2号(団交拒否)と競合
便宜供与に関する協定内容が事実上大筋において了解点に達しているにもかかわらず、この事実を否定の上、会社が分会の上部団体との協定の締結を拒否し、将来も当該上部団体と交渉を行わないとしていることには合理的理由があるとは認められず、このような会社の態度は、正当な理由のない団交拒否に該当し、かつ組合の運営に対する支配介入にも該当するとされた例。
2613 使用者と取引関係者の言動
組合の結成を非難したり、課長職に在る者の組合加入を非難した社外の研修講師の発言を会社が放置したことは支配介入行為に該当するとされた例。
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業種・規模 |
卸売業、小売業、飲食店 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集110集461頁 |
評釈等情報 |
 
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