労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  グランドハイヤー 
事件番号  高知地労委 平成 6年(不)第3号 
申立人  自交総連グランドハイヤー労働組合 
被申立人  有限会社グランドハイヤー 
命令年月日  平成 8年 8月21日 
命令区分  棄却(命令主文が棄却のみ又は棄却と却下) 
重要度   
事件概要  本件は、会社が、<1>賃金・一時金協定の改定に関する団体交渉において、組合が要求する経営資料を提示しなかったこと、<2>新協定成立までの間に新規加入した組合員に対して、従前の賃金・一時金協定を適用しなかったこと、<3>組合の執行委員長である配車係のX1に対して、有給休暇の賃金に関する協定を適用しなかったこと、<4>組合員に対して、5年分の年末一時金を貸付金であるとして返還を求めたうえ、6年分の年末一時金を不支給としたこと、<5>平成6年10月5日以降、賃金・一時金協定の改定に関する団体交渉に応じていないことが不当労働行為であるとして申立てのあった事件で、申立てを棄却した。 
命令主文  本件申立てを棄却する。 
判定の要旨  2250 未妥結・打切り・決裂
会社は、賃金制度に関する新協定締結のための団体交渉に際し、必要に応じその理由や資料を提示するなど新協定に関して合意を求める組合の対応又は努力に応じ、合意の可能性を模索し、合意の実現に相応の努力を払ったが、結果として組合と一致点を見出せず、いきづまりとなり団体交渉を打切ったもので、本件団交拒否は労組法7条2号の団交拒否に当たらないとした例。

3103 労働協約締結をめぐる行為
協定書締結後加入の新組合員に対し、本件協定書を適用しないことは、<1>会社が会社経営の赤字解消のため本件協定書の改廃手続開始以来、組合との間に団体交渉を行い、新たな賃金制度に関する合意形成のために相応の努力を払っており、また、<2>会社の本協定書の適用に関し、新組合員2名だけの問題にとどまらないとの発言は、専ら、会社の賃金制度の在り方に関する考えを述べたもので組合の運営に対し影響を及ぼす意図はなかったこと等を考慮して、労組法7条3号の不当労働行為には当たらないとした例。

3103 労働協約締結をめぐる行為
配車係のX1組合委員長の有給休暇賃金に対し、確認書のとおり勤務が2暦日にわたる場合に2日分の賃金を支給しなかったことは、<1>確認書の適用者の範囲が不明確な中で賃金制度が定額と定率という基本的違いがある配車係と車両乗務員に同一の有給休暇賃金制度を適用するには無理があること、<2>仮にX1にH7年3月26日以後確認書に基づき有給休暇賃金を支払うと有給休暇をとった方が勤務するより収入がよくなるという逆転が生じるという理由からであり、会社に不当労働行為意志はないとして労組法7条1号及び3号に当たらないとした例。

3103 労働協約締結をめぐる行為
組合員に対する平成5年末に支払われた15万円の返還請求及び平成6年末の一時金の不払は、会社の本件協定書の改廃に関する会社の論理の整合性の追求及びその結果得られる経営上の利益を図ったもので、協定書の改廃手続及びこの取扱いに関して、手続上不自然な点は見られないとして労組法7条3号に当たらないとした例。

業種・規模  道路旅客運送業(ハイヤー、タクシー業) 
掲載文献  不当労働行為事件命令集105集469頁 
評釈等情報   

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