概要情報
事件名 |
日立製作所 |
事件番号 |
東京地労委 昭和61年(不)第104号
東京地労委 昭和63年(不)第55号
東京地労委 平成 1年(不)第26号
東京地労委 平成 2年(不)第21号
東京地労委 平成 3年(不)第21号
東京地労委 平成 4年(不)第27号
東京地労委 平成 5年(不)第29号
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申立人 |
X1 外11名 |
被申立人 |
株式会社 日立製作所 |
命令年月日 |
平成 8年 2月27日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、会社が組合員X1ら12名に対し、<1>職群等級を低位に格付けたこと、<2>仕事、福利厚生について差別したことが不当労働行為であると争われた事件である。 東京地労委は、<1>X1ら5名を昭和58年度以降企画職1級に、X6を同58年度から同61年まえを監督指導職3級、同62年度を同2級、同63年度以降企画職1級に、X7を同58年度以降執務職における協定の標準者としての等級に是正し、各々是正した等級の者に支払われるべき賃金と既支給分との差額の支払い(年6分加算)、<2>X1ら7名に対する正当な組合活動を理由に職群等級格付けを低位にとどめることの禁止、<3>X1ら7名の職群等級格付けを低位にとどめたことに関する文書提示、<4>上記<1>及び<3>についての履行報告を命じ、X8ら5名に対する職群等級格付の是正、仕事、福利厚生等についての差別是正については棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人株式会社日立製作所は、申立人X1、同X2、同X3、 同X4、同X5に対しては、昭和58年度以降につき企画職1級に是正 し、申立人X6に対しては、58年度から61年度までを監督指導職3級、 62年度を同2級、63年度以降企画職1級に是正し、また申立人X7に対 しては、58年度以降につき執務職における協定の標準者としての等級に是正し 、各々是正した等級の者に支払われるべき賃金とすでに支払われた賃金との差額 を支払わなければならない。 2 被申立人は、第1項の差額に対して、各支給日の翌日から差額の支払日まで 、年6分の割合による金員を支払わなければならない。 3 被申立人は、申立人X1、同X2、同X3、同X4、同X5、同X6、同X 7に対し、正当な組合活動を理由に、職群等級格付を低位にとどめてはならない。 4 被申立人は、本命令書受領の日から1週間以内に、55センチメートル×8 0センチメートル(新聞紙2頁大)の大きさの白紙に、下記の内容を楷書で明瞭 に墨書して、本社および日立製作所中央研究所の従業員の見やすい場所に10日 間掲示しなければならない。 記 平成 年 月 日 殿 株式会社日立製作所 代表取締役 Y1 当社が貴殿らに対し、職群等級格付を低位にとどめておいたことは不当労働行 為であると東京都地方労働委員会において認定されました。今後このような行為 を繰り返さないよう留意します。 (注、あて名はX1、X2、X3、X4、X5、X6、 X7とし、年月日は掲載の日を記載すること。) |
判定の要旨 |
4418 継続する行為を認めた例
賃金、職群等級の格付決定は一般的に一回限りの行為だが、会社が正当な組合活動を嫌悪し、かつ組合員を差別する意図の下に上記行為の差別を繰り返していることが明らかな場合には当該行為は継続する行為に当たるとされた例
1200 降格・不昇格
X1ら6名の昇格を遅らせ、X7の昇格を標準者より低位にとどめてきたことは不利益取扱いに該当するとされた例
1601 福利厚生上の差別
仕事、福利厚生等の差別について、申立期間が過ぎていたり、具体的事実の疎明が不十分であるとして棄却された例
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業種・規模 |
精密機械器具製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集104集148頁 |
評釈等情報 |
 
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