概要情報
事件名 |
東海旅客鉄道 |
事件番号 |
大阪地労委 平成 5年(不)第77号
|
申立人 |
国鉄労働組合近畿地方本部 |
申立人 |
国鉄労働組合近畿地方本部大阪地区本部大阪新幹線支部 |
申立人 |
国鉄労働組合近畿地方本部大阪地区本部大阪新幹線支部大阪保線所分会 |
被申立人 |
東海旅客鉄道株式会社 |
命令年月日 |
平成 8年 4月26日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
|
事件概要 |
本件は、会社が、大阪保線区、京都保線所、大阪設備所の所長・助役などの管理職をして、国労組合員に対し、配転、昇格、昇給、期末手当の査定などで、人事上有利に取り扱うことを示唆して、組合からの脱退を勧奨させたことが、不当労働行為であるとして争われた事件である。 大阪地労委は、これを不当労働行為にあたるとして文書手交を命じた。 |
命令主文 |
被申立人は、申立人に対し、下記の文書を速やかに手交しなければならない。 記 年 月 日 国鉄労働組合近畿地方本部 執行委員長 X1 殿 国鉄労働組合近畿地方本部大阪地区本部大阪新幹線支部 執行委員長 X2 殿 国鉄労働組合近畿地方本部大阪地区本部大阪新幹線支部大阪保線所分会 執行委員長 X3 殿 東海旅客鉄道株式会社 代表取締役 Y1 当社が行った下記の行為は、大阪府地方労働委員会において、労働組合法第7 条第3号に該当する不当労働行為と認められました。今後、このような行為を繰 り返さないようにいたします。 記 (1) 平成5年5月13日午後7時ごろ、当社大阪設備所所長が、貴組合員 1名に対し、人事上有利に取り扱うことを示唆して、貴組合からの脱退を勧めた こと (2) 平成5年6月の人事異動に際し、当社関西支社の職制が、当時貴組合 員であった2名に対し、大阪保線所及び大阪設備所の各現業職場から関西支社の 非現業現場への配転を示唆して、貴組合からの脱退を勧めたこと |
判定の要旨 |
2621 個別的示唆・説得・非難等
管理者が組合員に対し人事上有利に取り扱うことを示唆して脱退勧奨を行ったこと及び人事異動に際し管理者が組合員に対し現業職場から非現業職場への配転を示唆して脱退勧奨を行ったことが支配介入に該当するとされた例
3410 職制上の地位にある者の言動
管理者の行為は、組合員としての組織活動の面が含まれていたとしても管理者の立場から組合脱退を働きかけたものである。また、管理部門及び助役が非現業職場への配転前に組合を脱退するよう指示したことは、職制上の地位を利用して脱退を勧奨した支配介入行為と解される。
4614 文書手交のみを命じた例
申立人は、将来にわたる脱退工作の禁止及び陳謝文の掲示を求めるが会社による組織的支配介入が行なわれたことは認められないから文書の交付を命じることを相当とする。
|
業種・規模 |
鉄道業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集104集432頁 |
評釈等情報 |
 
|