概要情報
事件名 |
国際空港事業 |
事件番号 |
東京地労委 平成 4年(不)第7号
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申立人 |
IAU労働組合 |
被申立人 |
国際空港事業株式会社 |
命令年月日 |
平成 8年 4月 2日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、会社が管理職をして行わせた、<1>組合のワッペン着用の争議権確立に反対投票を求める言動及びワッペン着用者はチーフ職を外す等不利益な取扱いをする旨の言動、<2>年末要求満願回答署名に協力すれば不利益な取扱いをする旨の言動、<3>運行整備課及び客室課管理職の支配介入言動、(4)常務会やリーダー会議での組合の役員構成・運動方針を非難する言動等が不当労働行為であるとして申立てのあった事件である。 東京地労委は、<1>及び<2>については不当労働行為と認定し、管理職をしてかかる言動をさせることによる支配介入行為の不作為及び文書掲示並びに文書による履行報告を命じ、<3>については継続する行為に該たらず期間渡過として却下し、(4)については当該事実は見出し難いとして棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人国際空港事業株式会社は、同社管理職をして申立人IAU労働組合 所属組合員に対し、次のような言動をさせることにより、申立人組合の運営に支 配介入してはならない。 (1) 申立人組合の争議権確立のための投票において、反対投票をするよう
求めること。 (2) 申立人組合が実施する満額回答署名に関し、この署名に協力しないよ う求め、あるいは署名に応じた場合には勤労課に呼び出すなどの不利益な取扱い をする旨の言動をすること。 (3) 申立人組合の指令に基づくワッペン着用に関し、ワッペンを着用した 者はカウンター業務に就けさせないとかチーフ職を外すなどの不利益な取扱いを する旨の言動をすること。 2 被申立人会社は、本命令書受領の日から1週間以内に、55センチメートル ×80センチメートル(新聞紙2頁大)の大きさの白紙に下記内容を楷書で明瞭 に墨書して、被申立人会社の正面玄関前の見やすい場所に10日間掲示しなけれ ばならない。 記 平成 年 月 日 IAU労働組合 中央執行委員長 X1 殿 国際空港事業株式会社 代表取締役 Y1 当社が、当社管理職をして、貴組合所属組合員に対し、貴組合の争議権確立投 票において反対投票をするよう求めたこと、並びに貴組合が実施する満願回答署 名に協力しないよう求め、あるいはこの署名に応じた場合には不利益な取扱いを する旨の言動をしたこと、貴組合指令に基づくワッペン着用に関し、ワッペン着 用をした場合には不利益な取扱いをする旨の言動をしたことは、いずれも不当労 働行為であると東京都地方労働委員会において認定されました。 今後、このような行為を繰り返さないよう留意します。 (注:年月日は、掲示した日を記載すること。) 3 被申立人会社は、前項を履行したときは、すみやかに当委員会に文書で報告 しなければならない。 4 平成2年の運航整備課の管理職の言動と平成4年の客室課の管理職の言動に 対する申立ては却下する。 5 その余の申立てを却下する。 |
判定の要旨 |
2610 職制上の地位にある者の言動
管理職が争議権確立投票に反対投票を求めたり、ワッペン着用者はチーフ職を外すなどの不利益取扱いをする旨の言動をしたことが支配介入に該当するとされた例
2610 職制上の地位にある者の言動
管理職が組合の実施する賃上げの満願回答署名に関し、この署名に協力しないよう求め、あるいは署名に応じた場合には勤労課に呼び出すなど不利益な取扱いをする旨の言動をしたことが支配介入に該当するとされた例
5200 除斥期間
平成2年10月12日の運航整備課の管理職の言動、平成4年3月11日及び12日の客室課の言動は追加申立の日(平成5年6月14日)から1年以上前の事柄であり、労働組合法27条2項にいう「継続する行為」に該当しないとされた例
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業種・規模 |
航空運輸業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集104集304頁 |
評釈等情報 |
 
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