労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  東日本旅客鉄道烏山自動車営業所 
事件番号  中労委 平成 1年(不再)第78号 
再審査申立人  東日本旅客鉄道株式会社 
再審査被申立人  国鉄労働組合東京地方本部関東地方自動車支部烏山自動車営業所分会 
再審査被申立人  国鉄労働組合東日本本部 
再審査被申立人  国鉄労働組合東京地方本部 
再審査被申立人  国鉄労働組合東京地方本部関東地方自動車支部 
命令年月日  平成 9年 3月19日 
命令区分  一部変更(初審命令を一部取消し) 
重要度   
事件概要  東日本旅客鉄道株式会社(以下「会社」という。)の烏山自動車営業所長が、国労東京地方本部関東地方自動車支部烏山自動車分会に所属する組合員X1ら3名に対し、組合からの脱退を勧奨する等の言動をしたことが争われた事件で、初審栃木地労委は、それらの言動が不当労働行為に当たるとして、会社に対し、会社の職制を通して国労からの脱退勧奨を繰り返さないようにする旨の文書の手交を命じた。
 会社はこれを不服として、中労委に再審査を申し立てたが、中労委は、組合員X2に対する言動は、国労からの脱退を勧奨したものとまでは認められないとして、会社に対し、「組合員X1に対して脱退の勧奨や強要をしたり、X3に対して脱退を勧奨したりするなどしたことは不当労働行為であると中労委に認定された。今後このような行為を繰り返さないようにする」旨の文書の手交を命じた。 
命令主文  I 本件初審命令主文第2項を次のとおり変更し、同項に係るその余の再審査被申立人の救済申立てを棄却する。
2 会社は、本命令交付後、速やかに再審査被申立人らに対して、次の文書を交付しなければならない。
                 記
 当社が、会社の烏山自動車営業所所長をとおして、貴組合に所属する組合員のX1に対して脱退の勧奨や強要をしたり、X3に対して脱退を勧奨をしたりするなどしたことは、不当労働行為であると中央労働委員会により認定されました。
 今後、このような行為を繰り返さないようにいたします。
平成 年 月 日
 国鉄労働組合東日本本部
    執行委員長 X4 殿
 国鉄労働組合東京地方本部
    執行委員長 X5 殿
 国鉄労働組合東京地方本部関東地方自動車支部
    執行委員長 X6 殿
 国鉄労働組合東京地方本部関東地方自動車支部
 烏山自動車営業所分会
    執行委員長 X7 殿
                     東日本旅客鉄道株式会社
                      代表取締役 Y1 印
II その余の本件再審査申立てを棄却する。 
判定の要旨  2610 職制上の地位にある者の言動
3410 職制上の地位にある者の言動
自動車営業所所長は、就業規則上自動車営業所の管理及び運営の全般的な責任を持っており、同所長が組合員資格を有し、実際に他組合に所属しているからといって、同所長の職責に変わりはなく、また、本件Y2所長の一連の言動は、営業所長の立場からなされたものであり、当然会社が責任を負うべきものと認められる

2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
Y2所長の一連の言動は、国労と会社が対立し、しかもX8委員長等の国労からの脱退により、支部及び各営業所の分会が組織的に動揺していた状況の下で、会社の意を体して、分会のトップであるX1分会長に不利益を示唆し、又は威嚇して国労からの脱退を強要し、分会の組織運営に介入したものと認められる

2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
Y2所長の組合員X3に対する言動は同人に対し不利益を示唆し、国労からの脱退を勧奨したものと認められる

2610 職制上の地位にある者の言動
Y2所長のX2書記長に対する言動は管理者として同書記長の意向を確認したにすぎないともみられ、組合活動に言及したという具体的疎明のない本件にあっては、国労からの脱退を勧奨したものとまでは認めることはできない。

業種・規模  鉄道業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集107集511頁 
評釈等情報  中央労働時報 1997年6月 924号 15頁 

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