労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  三州海陸運輸 
事件番号  大阪地労委 平成 7年(不)第46号 
申立人  全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部 
被申立人  三州海陸運輸株式会社 
命令年月日  平成 9年12月 4日 
命令区分  全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) 
重要度   
事件概要  本件は、会社が、阪神大震災により取引先から仕事が途絶えたこと等による経営不振を理由に、会社閉鎖問題について団交を行わずに会社を閉鎖し、組合員を含む全従業員を解雇したことが不当労働行為であるとして争われた事件である。
 大阪地労委は、会社閉鎖に係る組合員の処遇について、誠意をもって協議を行うことを命じた。 
命令主文  被申立人は平成7年6月30日に行った会社閉鎖に係る申立人組合員の処遇について、申立人との間で誠意をもって協議を行わなければならない。 
判定の要旨  1700 偽装解散
本件会社閉鎖は、(a)創業者の取締役Y1が会社継続に必要な人員整理や合理化に組合の協力が得られないとして決断したこと、(b)会社の解散決議を行っていないこと、(c)会社閉鎖後に役員全員の変更登記を行っていること、(d)一般貨物自動車運送事業の許可を保有したままであること等から、真実の事業廃止とは認められないとされた例

2240 説明・説得の程度
2400 その他
本件会社閉鎖に伴う会社の対応は、(a)経営資料の提出等を行っておらず、(b)会社再建の可能性について一切説明せず、(c)分会員の退職金等の退職条件について誠意をもって団交・協議を行っていないことから、事前協議・同意条項の趣旨に沿ったものとは認められないとされた例。

1800 会社解散・事業閉鎖
2902 労組法7条2号(団交拒否)と競合
3105 事業廃止、工場移転・売却
本件会社閉鎖は、会社が、業績が悪化する中で、組合を嫌悪してその影響力を排除するために、事前協議・同意条項を反古にして会社閉鎖を強行し、組合員を解雇したものと判断するのが相当で、労組法7条1・3号の不当労働行為に該当するとされた例

1800 会社解散・事業閉鎖
事業再開できないことが明らかなので組合の申立ては不適法として却下されるべきであるとの会社主張が、会社は解散したとみなされているものの、清算の目的の範囲内でなお存続していること等から斥けられた例。

4402 企業閉鎖・偽装解散と救済
4417 条件付命令・協議命令
組合は救済方法として会社閉鎖の撤回命令を求めるが、既に会社事業に必要な要員、設備等を有していないので相当でないが、本件申立ては、労働条件等の変更に関する事前協議・同意条項規定が遵守されていないことをも不当労働行為として救済を求める趣旨と解されるので、会社閉鎖に係る組合員の処遇に関する誠実協議を命ずることが適当とされた例

業種・規模  航空運輸業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集109集247頁 
評釈等情報   

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