概要情報
事件名 |
聖仁会 |
事件番号 |
神奈川地労委 平成 8年(不)第11号
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申立人 |
X1 |
被申立人 |
医療法人社団聖仁会 |
命令年月日 |
平成 9年12月 2日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、旧経営者から病院の経営を引き継いだ法人が、組合活動を理由として申立人を解雇したことが不当労働行為であるとして争われた事件である。 神奈川地労委は、本件解雇は、正当事由がなく不当労働行為に該当すると判断し、解雇がなかったならば得たであろう賃金の額と支払った賃金の差額に年率5分相当額を加算した額の支払い及び文書掲示を命じ、その余の申立て(解雇取消し、原職復帰等)については、被救済利益が消滅したものとして棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、申立人X1に対し、平成7年7月17日の解雇がなかったならば支給されるべきであった賃金の額と現に支払った賃金の額との差額に相当する額に、年率5分相当額を加算した額の金員を支払わなければならない。 2 被申立人は、本命令交付後、速やかに下記の文書を縦1メートル、横1.5メートルの白紙にかい書で明瞭に墨書し、被申立人横浜甦生病院の従業員通用口付近の見やすい場所に、き損することなく10日間掲示しなければならない。 記 当法人が横浜甦生病院に勤務する貴殿を平成7年7月17日をもって解雇したことは、神奈川県地方労働委員会において労働組合法第7条第1号に該当する不当労働行為であると認定されました。 今後、このような行為を繰り返さないようにいたします。 平成 年 月 日 X1殿 千葉県印旛郡白井町池の上1丁目15番1号 医療法人社団聖仁会 理事長Y1 3 申立人のその余の申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
0500 勤務成績不良
4406 バックペイに利子・付加金を付したもの
本件の組合書記長X1の解雇について、X1は勤務状況等の事実について一度も上司や事務局長、次長に注意等を受けたことがないこと等からみて、本件解雇には、正当事由がなく、組合の存在及びその活動を嫌悪する医療法人が本件要求書の提出を契機に組合を消滅させようと意図し、ただ一人組合に残った組合書記長のX1を職場から排除しようとして行ったものであり、労組法第7条第1号不当労働行為に該当するとされた例。
1101 承認・合意(含退職金等の受領)
4000 退職金等の受領
「解雇取消し」については地位確認訴訟で請求を認諾しており、「原職復帰」については雇用条件提示書及び業務命令書を交付して復帰に必要な措置を執っているので被救済利益は消滅しており、「バックペイ」についても支払済の賃金額の限りにおいて被救済利益は消滅しているとして棄却した例。
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業種・規模 |
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掲載文献 |
不当労働行為事件命令集109集223頁 |
評釈等情報 |
 
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