概要情報
事件名 |
松江工業 |
事件番号 |
東京地労委 平成 8年(不)第48号
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申立人 |
江戸川区労働組合協議会・労働組合江戸川ユニオン |
被申立人 |
松江工業株式会社 |
命令年月日 |
平成 9年 5月13日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、組合からの団体交渉要求に対して、法外組合であることを理由に拒否したり、不誠実な対応をしたことが争われた事件で、<1>誠実な団交や協議の実施、<2>文書交付を命じた。 |
命令主文 |
1 被申立人松江工業株式会社は、申立人江戸川区労働組合協議会・労働組合江戸川ユニオンに対し、団体交渉において、「経営危機」問題について、決算書等の資料を提示して誠実に説明しなければならない。 2 被申立人会社は、申立人組合との平成7年11月20日付協定の趣旨に従い、「工場閉鎖」など労働条件に係わる重要な事項について、申立人組合と誠実に協議をしなければならない。 3 被申立人会社は、本命令書受領の日から1週間以内に、下記内容の文書を申立人組合に交付しなければならない。 記 年 月 日 江戸川区労働組合協議会・労働組合江戸川ユニオン 執行委員長 X1 殿 松江工業株式会社 代表取締役 Y1 当社が、(1)貴組合が申し入れた8年度の賃金引き上げ等の要求および夏期一時金の団体交渉について、誠実に対応せず、また「法外組合」であるとの理由で拒否したこと、(2)「経営危機」問題について、貴組合に対し団体交渉において、決算書等の資料を提示して誠実に説明しなかったこと、(3)平成7年11月20日付協定の趣旨に従い、「工場閉鎖」など労働条件に係わる重要な事項について、貴組合と誠実に協議しなかったことは、いずれも不当労働行為であると東京都地方労働委員会において認定されました。 今後、このような行為を繰り返さないよう留意します。 (注:年月日は文書を交付した日を記載すること。) |
判定の要旨 |
2113 交渉団体として不適格
X2は「工場長」と呼称されることもあるが、会社からの発令もなく、雇入れ、解雇、昇進等に関する権限がなく、時間外手当も受けているから、使用者の利益代表者の地位にはないから、法外組合であるとの会社の主張は認められない。
2245 引き延ばし
会社は組合の春闘要求に対し、3ヵ月にわたり回答を引き延ばしたこと、あっせん期日に法外組合であるとの新たな主張をしたことは、団交拒否にあたる。
2304 経営事項
組合が工場存続や経営状態改善のための協議を申し入れた趣旨は、雇用維持、労働条件改善についての協議を求めたものであるから、団交事項に該当する。
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業種・規模 |
輸送用機械器具製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集108集91頁 |
評釈等情報 |
 
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