労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  明治屋 
事件番号  愛知地労委 昭和57年(不)第4号 
愛知地労委 昭和58年(不)第7号 
申立人  総評全国一般全明治屋労働組合名古屋支部 
被申立人  株式会社 明治屋 
被申立人  関西明治屋商事株式会社 ほか1事業所 
被申立人  株式会社 明治屋 名古屋支店 
命令年月日  昭和60年 4月19日 
命令区分  一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) 
重要度   
事件概要  組合29名に対する昭和56年、57年の賃上げ、夏期及び年末各一時金の低査定が争われた事件で、(1)組合員27名の昭和56年、57年の賃上げ査定分の平均金額への是正及び差額相当額の支払い、(2)同27名の昭和56年、57年の夏期及び年末一時金の査定分の平均金額への是正及び差額相当額の支払い、(3)被申立人2社名義の文書の交付を命じ、被申立人2社と同各支店連名によるポスト・ノーティス及び結審時までに退職した2名についての救済申立てについては棄却した。 
命令主文  1 被申立人株式会社明治屋及び同関西明治屋商事株式会社は、申立人総評全国一般全明治屋労働組合名古屋支部に所属する別紙(省略)記載の組合員27人につき、昭和56年の賃上げの査定分の金額を昭和56年4月1日に遡及して査定分の平均金額 1,543円に、昭和57年の賃上げの査定分の金額を昭和57年4月1日に遡及して査定分の平均金額 1,543円に各是正し、同人らに対し、それぞれ、是正前の査定分の金額を基礎として既に支払われた賃金と是正後の査定分の金額を基礎として計算した賃金との差額相当額を速やかに支払わなければならない。
2 被申立人株式会社明治屋及び同関西明治屋商事株式会社は、申立人総評全国一般全明治屋労働組合名古屋支部に所属する別紙記載の組合員27人につき、昭和56年の夏期一時金の査定分の金額を査定分の平均金額33,783円に、同年の年末一時金の査定分の金額を査定分の平均金額34,730円に、昭和57年の夏期一時金の査定分の金額を査定分の平均金額37,367円に、同年の年末一時金の査定分の金額を査定分の平均金額36,508円に各是正し、同人らに対し、それぞれ、是正前の査定分の金額を基礎として既に支払われた夏期一時金及び年末一時金の金額と是正後の査定分の金額を基礎として計算した夏期一時金及び年末一時金の金額との差額相当額を速やかに支払わなければならない。
3 被申立人株式会社明治屋及び同関西明治屋商事株式会社は、申立人総評全国一般全明治屋労働組合名古屋支部に対し、下記文書を本命令書交付の日から7日以内に交付しなければならない。
              記
 当社が昭和56年及び昭和57年の賃上げ及び一時金の査定にあたって、貴組合員らを不利益に取り扱ったことは、労働組合法第7条第1号に該当する不当労働行為であると愛知県地方労働委員会によって認定されました。
 今後、このような行為を繰り返さないようにいたします。
  昭和 年 月 日
総評全国一般全明治屋労働組合名古屋支部
 執行委員長  X1  殿
               株式会社 明 治 屋
               代表取締役 Y1
              関西明治屋商事株式会社
               代表取締役 Y1
4 申立人のその余の申立ては棄却する。 
判定の要旨  1202 考課査定による差別
昭和56年及び昭和57年の賃上げ及び一時金の査定にあたり、組合員らを低く査定したことが不当労働行為とされた例。

4302 組合員資格喪失者(含組合脱退・死亡)
結審時までに退職した組合員2名に係る申立てについては、救済の対象から除外するのが相当であるとされた例。

4415 賃金是正を命じた例
賃上げ及び一時金についての低査定の救済として、申立人組合の上部団体と会社との間で締結された協定の査定分の平均金額まで是正するよう命じた例。

4417 条件付命令・協議命令
会社と同支店が連名で謝罪文を掲示するよう求めたのに対し、会社名の文書を交付することを相当とされた例。

5008 その他
5145 救済内容が実現不可能
不当労働行為に対する救済として賃金差額の支払いを求めることは、過去に遡って原状の変更を求めるものであり、制度的に許容する範囲を逸脱するもの、即ち法令上実現することが不可能である救済を求めるものとして、労委規則第34条第1項第6号の却下事由に該当するとの会社主張につき、当該申立ては、不当労働行為がなかった場合と同様の状態を実現すること、即ち「原状回復」を求めているものであるとして斥けた例。

5121 挙証・採証
賃上げ等において不利益取扱いを受けたとの組合の主張は、不当労働行為を構成する具体的事実の用件を満足させないとの会社主張につき、組合は具体的事実を挙げて主張していると認められるとして斥けた例。

業種・規模  卸売業、小売業、飲食店 
掲載文献  不当労働行為事件命令集77集356頁 
評釈等情報   

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