労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  近畿物流 
事件番号  大阪地労委 平成 6年(不)第60号 
申立人  全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部 
被申立人  近畿物流  株式会社 
命令年月日  平成 7年 9月20日 
命令区分  全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) 
重要度   
事件概要  本件は、会社が、(1)分会員に対する組合脱退勧奨並びに不誠実団交及び和解内容の不履行等に抗議して組合が行ったストに分会書記長X1が参加したところ、これを個人的な業務拒否であるとしてX1を解雇したこと、(2)副分会長X2ら2名を応接室に監禁して組合脱退強要を行い、これを従業員に公表したX2に暴力を振るったこと、(3)分会長X3の自宅前でX3の名誉を傷つける言動及び同人の妻を威迫したことが不当労働行為であるとして争われた事件である。
 大阪地労委は、(1)についてX1の解雇がなかったものとしての取扱いと、解雇翌日から就労させるまでの間の賃金・一時金に年5分を乗じた金額の支払い、(1)から(3)について文書掲示を命じた。 
命令主文  1 被申立人は、申立人組合員X1に対して、平成 6年 9月14日付で通知した解雇がなかったも のとして取り扱い、解雇の翌日から就労させる日までの間、同人が受け取ったであろう賃金 及び一時金の額及びこれらに年率5分を乗じた金額を支払わなければならない。
2 被申立人は、1m×2m大の白色板に下記のとおり明瞭に墨書して、被申立人本社入口付近の従業員の見やすい場所に10日間掲示しなければならない。
                    記
                                    年 月 日
   全日本建設運輸連帯労働組合
    関西地区生コン支部
     執行委員長 X4 殿
                          近畿物流株式会社
                           代表取締役 Y1
  当社が行った下記の行為は、大阪府地方労働委員会において、労働組合法第7条第1号及 び第3号に該当する不当労働行為であると認められました。今後このような行為を繰り返さ ないようにいたします。
                     記
 1平成6年9月14日、貴組合員X1氏を解雇したこと。
 2平成6年6月20日、貴組合員X2氏(当時)及び同X5氏に対し、深夜、長時間にわたっ  て組合脱退を強要したこと。
 3平成6年6月22日、貴組合分会長X3氏の自宅前において同氏の名誉を傷つける言動及び  同氏の妻を威迫する等の言動を行ったこと。
 4平成6年6月25日、当社が組合脱退を強要した事実を公表した元貴組合員X2氏に対し、  当社従業員の面前で顔面を殴打する等の暴行を加えたこと。 
判定の要旨  0411 怠業
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
分会書記長の積符の拒否は、同人の個人的な行為としてではなく、会社の一連の行為に対する組合の抗議ストとして行われたもので、正当な組合活動であり、これを理由とする解雇は、労組法7条1号、3号に該当する不当労働行為とされた例。

2610 職制上の地位にある者の言動
2623 脱退届け作成・提出強要
2700 威嚇・暴力行為
分会結成通知の当日、会社社長ら数名が応接室において、分会員2名に対し、10時間ないしは3時間にわたって、威嚇的言動を用いて脱退をすすめたことが、脱退強要行為であるとされた例。

1602 精神・生活上の不利益
2610 職制上の地位にある者の言動
2700 威嚇・暴力行為
会社社長らが、夜間、分会長宅を訪れ、妻に対し、分会長の名誉を傷つける言辞を1時間以上にわたり、同人宅前で怒鳴ったことが、労組法7条1号、3号に該当する不当労働行為であるとされた例。

業種・規模  道路貨物運送業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集103集132頁 
評釈等情報   

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