概要情報
事件名 |
明和会西八王子病院 |
事件番号 |
東京地労委 平成 4年(不)第51号
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申立人 |
西八王子病院労働組合 |
申立人 |
東京地方医療労働組合連合会 |
被申立人 |
医療法人 社団明和会 |
命令年月日 |
平成 7年 3月 7日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、医療法人Mが、(1)組合員X1の定年後の嘱託再雇用を従来の慣行に反して拒否したこと、(2)同問題並びに「定年退職者の再雇用」及び「無資格者の一人夜勤の廃止」を議題とする団交において理事長が欠席する等の不誠実な対応に終始したこと等が不当労働行為であるとして争われた事件である。 東京地労委は、(1)についてX1の退職日以降はX1が従前従事していた職務でのパートタイマー雇用したものとしての取扱いとバック・ペイを命じ、併せて文書による履行報告を命じた。(2)について求められた陳謝文の交付等については上記救済により足りるものとしたほか、その余の申立てを棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人医療法人社団明和会は、申立人西八王子病院労働組合の組合員X1を、平成4年 10月1日付をもってパートタイマーとして雇用したものとして取り扱い、同人が従前従事し ていた看護助手の職務につかせなければならない。 2 被申立人医療法人社団明和会は、同法人がX1に対し、第1項の措置を講じることによっ て、同人が受けるはずであった賃金相当額を同人に対して支払わなければならない。 3 被申立人医療法人社団明和会は、前記第1項および同第2項を履行したときは、すみやか に当委員会に文書で報告しなければならない。 4 その余の申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
1500 不採用
病院が60歳定年に達した組合員である看護助手を従前の例に反し、「新方針」を理由に再雇用しなかったことが、労組法7条1号に該当する不当労働行為とされた例。
4410 雇入拒否の場合
定年後の再雇用拒否の救済として、病院の方針等を勘案して、パートタイマーとして再雇用したのと同様に取り扱うよう命じた例。
2249 その他使用者の態度
(1)定年退職者の再雇用について、(2)定年に到達した看護助手X1の再雇用についての団体交渉における病院側の説明不足等から、労組法7条2号に該当する不誠実団交であるとされた例。
4505 その他
看護助手X1の定年後の再雇用に関する不誠実団交の救済は、同人の再雇用を命じた主文第1項及び2項で、ほぼ達成されたものと判断し、特には命じないこととするとされた例。
5121 挙証・採証
病院が虚偽の事実を述べて組合を中傷誹謗しているとの主張が手法についての疎明がないとして、退けられた例。
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業種・規模 |
医療業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集101集331頁 |
評釈等情報 |
 
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