概要情報
事件名 |
日立製作所 |
事件番号 |
神奈川地労委 平成 2年(不)第18号
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申立人 |
X1 |
被申立人 |
株式会社 日立製作所 |
命令年月日 |
平成 7年 6月27日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、被申立人が申立人に対し、一定期間、時間外勤務の機会を与えなかったこと、従前の業務とは異なる業務を命令したり、仕事を与えなかったことが申立人の労働基準監督署への残業手当不払いに関する申告という組合活動を嫌悪してなした不当労働行為であるとして争われた事件である。 神奈川地労委は、これを労組法第7条1号に該当する不当労働行為と認定し、被申立人に文書掲示を命じた。 |
命令主文 |
1 被申立人は、本命令交付後、速やかに下記の文書を縦1m×横1.5mの白色木板に楷書で明 瞭に墨書し、被申立人会社のAV機器事業部の見やすい場所に、き損することなく10日間掲 示しなければならない。 記 当社が貴殿に対し、一定期間、時間外勤務の機会を与えなかったこと、従前の業務と大幅 に異なる業務を下命したこと及び仕事を与えなかったことは、貴殿が労働基準監督署に申告 を行ったことに対する不利益取扱であるとして、神奈川県地方労働委員会において労働組合 法第7条第1号に該当する不当労働行為と認定されました。 今後、当社はこのような行為を繰り返さないようにいたします。 平成 年 月 日 X1 殿 株式会社日立製作所 代表取締役 Y1 2 申立人のその余の申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
0126 反執行部・分派活動
サービス残業等の是正損害を求める労基署への申立行為は、少なくとも組合員として是認し得る行為であり、労働組合の正当な行為に含まれると解すべきであるとされた例
1302 就業上の差別
申立人に対し、残業の機会を与えず、従前の業務と異なる業務を下命したり、仕事を与えなかったことは、会社が申立人の労基署への残業手当不払いに関する申立という組合活動を嫌ってなしたものであって、労組法7条1号に該当するとされた例
4421 文書掲示等を命じた例
残業をさせない、仕事を与えない等の嫌がらせ的行為は、現時点においてはなくなっており、不利益取扱いの是正そのものの必要性はないが、今後、同様な行為が繰り返されしおそれなしとしないとして、文書掲示を命じた例
3410 職制上の地位にある者の言動
Y2主任技師の申立人に対する残業や担当業務等についての不利益取扱いは、同人の上長としてなしているものであって、法局はその管理行為として会社自体が責任を負うべきものであるとされた例
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業種・規模 |
電気業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集102集232頁 |
評釈等情報 |
 
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