概要情報
事件名 |
高陽タクシー |
事件番号 |
群馬地労委 平成 2年(不)第2号
群馬地労委 平成 3年(不)第2号
|
申立人 |
自交総連群自交高陽タクシー分会 |
被申立人 |
高陽タクシー 株式会社 |
命令年月日 |
平成 6年 3月24日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
|
事件概要 |
本件は、会社が、(1)組合との賃金制度変更に係る合意事項に違反して誠意ある団体交渉を行わなかったこと、(2)新車を配車する際に、新賃金制度に同意しない組合員に新車を配車しなかったことが不当労働行為であるとして争われた事件である。 群馬地労委は、(1)について誠意団交の実施及び履行報告、(2)については、これを棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、申立人が申し入れる賃金制度に関する団交要求に対し、新賃金合意者の賃金 の現状維持を前提とせず、新賃金合意者の旧賃金復帰問題を含めた今後の賃金制度の在り方 について、誠意をもって交渉に応じなければならない。 2 被申立人は、前項に命ずるところを履行したときは、遅滞なく、当委員会に文書で報告し なければならない。 3 申立人の慰謝料の支払いに関する申立ては、これを却下する。 4 申立人のその余の申立ては、これを棄却する。 |
判定の要旨 |
2242 回答なし
別件和解合意内容の趣旨を自らに都合よく解釈し、新賃金から旧賃金に戻りたいとする組合員の要求に耳を傾けようとしない会社の頑なな態度で交渉に臨んだことが、不誠意交渉であるとされた例。
2902 労組法7条2号(団交拒否)と競合
組合員も新車賃金の契約をすれば新車の配車を受けられ、会社は同契約締結の機会を与えたのに組合は新車賃金を選択しなかったのであるから、新車の配車を受けられなくとも、差別扱いではなく支配介入に該らないとされた例。
5008 その他
新車配車差別に対する慰謝料の請求は労委の判断すべき事項でなく、却下を免れないとされた例。
|
業種・規模 |
道路旅客運送業(ハイヤー、タクシー業) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集99集341頁 |
評釈等情報 |
労働経済判例速報 平成6年10月10日 1538号 
|