概要情報
事件名 |
さくらハイヤー |
事件番号 |
高知地労委 平成 5年(不)第3号
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申立人 |
全国自動車交通労働組合連合会高知地方本部 |
被申立人 |
有限会社 さくらハイヤー |
命令年月日 |
平成 6年 1月31日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、会社が、組合員の乗務する車両に対して、無線配車装置を設置しないこと等が不当労働行為であるとして争われた事件である。 高知地労委は、無線配車に係る不利益取扱い及び支配介入の禁止、文書手交を命じ、無線配車の減少による不利益の金額は算定できないとして棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、申立人の組合員に対して、無線配車に係る不利益取扱いをしてはならず、か つ、これにより申立人の運営に支配介入してはならない。 2 被申立人は、申立人に対し、下記の文書を本件命令書写しの交付後速やかに手交しなけれ ばならない。 記 全国自動車交通労働組合連合会高知地方本部 執行委員長 X1 様 有限会社 さくらハイヤー 代表取締役 Y1 当社が貴組合に対し行った下記の行為は、高知県地方労働委員会によって、不当労働行為 と認定されましたので、今後は、このような行為を繰り返さないようにいたします。 記 (1)貴組合員の乗務車両に対して、人工衛星を利用した無線配車装置を当初から設置しなか ったこと。 (2)同装置を設置した日以後も組合員に対し、無線配車業務に関して不利益取扱いを行った こと。 3 申立人のその余の申立ては、棄却する。 |
判定の要旨 |
1302 就業上の差別
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
無線配車の新装置を分会員の乗務する6台の車両だけには設置しなかったことが、分会員が無線配車に非協力的であったとの主張が措信できないこと等から不当労働行為とされた例。
1302 就業上の差別
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
無線装置設置後も分会員に対する無線配車乗務について、他の乗務員と差別したことが、会社が無線配車の利用状況の対比資料を提出しないこと等から、分会員らを嫌悪した会社の不当労働行為とされた例。
4416 将来にわたる不作為を命じた例
4505 その他
無線配車の差別扱いの救済として、分会員の営業収入低下の具体的金額が算定できないことから、不作為命令及び文書手交を命じた例。
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業種・規模 |
道路旅客運送業(ハイヤー、タクシー業) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集99集210頁 |
評釈等情報 |
 
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