労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  大阪ケミカル・ダイケミ 
事件番号  大阪地労委 平成 3年(不)第33号 
申立人  総評全国一般労働組合大阪地方連合会大阪一般労働組合 
被申立人  大阪ケミカル工業  株式会社 
被申立人  株式会社 ダイケミ 
命令年月日  平成 4年10月 9日 
命令区分  一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) 
重要度   
事件概要  ダイケミ及び分社前の本会社である大阪ケミカル工業が、(1)賃上げ及び一時金に関し妥結した事項について書面化を拒否し、当該協定書の未締結を理由に賃上げ及び一時金の支払いを拒否したこと、(2)団交に関して事実に反する内容の文書を掲示したこと等が争われた事件で、ダイケミに対し、(1)については、協定書作成拒否の禁止、妥結金額での支払い及び文書手交・掲示を、(2)については、文書手交・掲示を命じ、大阪ダイケミ工業に対する申立てについては、同社は組合員の賃上げについて重大な影響力をもつが当該協定書の作成等についてまで責任を負ってはいない等として棄却した。 
命令主文  主   文
1 被申立人株式会社ダイケミは、平成元年 9月22日の団体交渉において、申立人との間で合意した下記事項について、協定書の作成を拒否してはならない。
            記
 (1) 組合員に対する平成元年度賃上額を一律 7,800円とし、同年 4月に遡って実施すること
 (2) 組合員に対する平成元年夏季一時金の額を、組合員各人の基本給×1.5378か月分+一律 1,000円+α(会社一任額で一律 500円)とし、同年 9月30日までに支給すること
2 被申立人株式会社ダイケミは、前記 9月22日の団体交渉においての合意に基づいて、申立人組合員X1、同X2、同X3に対し、平成元年 4月からそれぞれ 7,800円の賃上げが実施されたものとして取り扱い、未払い分とこれに各支給日の翌日から支払うまでの間年率5分を乗じた額、及び同年夏季一時金として、X1に対し金 298,161円、X2に対し金 285,620円、X3に対し金 281,697円とこれに平成元年10月 1日から支払うまでの間年率 5分を乗じた額を支払わねばならない。
3 被申立人株式会社ダイケミは、申立人に対し、下記の文書を速やかに手交するとともに、1メートル×2メートル大の白色板に同文を明瞭に墨書して、被申立人会社玄関付近の従業員の見やすい場所に1週間掲示しなければならない。
            記
                平成  年  月  日
総評全国一般労働組合大阪地方連合会
大阪一般労働組合
 執行委員長 X4 殿
             株式会社ダイケミ
              代表取締役  Y1
                同    Y2
 当社が行った下記の行為は、大阪府地方労働委員会において、労働組合法第7条第1号、第2号及び第3号に該当する不当労働行為であると認められましたので、今後このような行為を繰り返さないようにいたします。            記
1 平成元年 9月22日の貴組合との団体交渉において合意した事項について、協定書の作成を拒否したこと
2 貴組合と平成元年度賃上げ及び同年夏季一時金について合意したにもかからわず、貴組合大阪ケミカル工業分会員に対する支払いをしなかったこと
3 平成元年7月4日、貴組合と交渉継続中であるにもかかわらず、貴組合を誹謗中傷する文書を社内に掲示したこと
4 被申立人大阪ケミカル工業株式会社に対する申立ては棄却する。 
判定の要旨  1201 支払い遅延・給付差別
平成元年度賃上げ及び同年夏季一時金について合意したにもかかわらず、組合の分会員に対してこれを支払わなかったことが不当労働行為に当たるとされた例。

2253 受取り拒否・申入れなし
会社が労使間で合意した賃上げ及び一時金について協定書作成を拒否したことが不当労働行為に当たるとされた例。

2620 反組合的言動
ダイケミは、団交の模様について事実に反する記事を記載した文書を掲示したことが、非組合員の組合に対する評価を落とさせた支配介入に当たるとされた例。

4909 事業分離後の新企業体
ダイケミと大阪ケミカルの関係につき別件和解において、大阪ケミカルは協定の履行を保証する義務を負うにすぎないことになっており、本件協定書の作成についてまで責任を負っているとはいえないとされた例。

業種・規模  その他の製造業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集95集349頁 
評釈等情報   

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