概要情報
事件名 |
追手門学院 |
事件番号 |
大阪地労委 平成 1年(不)第48号
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申立人 |
追手門学院大学労働組合翔青会 |
申立人 |
X1 ほか2名 |
被申立人 |
学校法人 追手門学院 |
命令年月日 |
平成 3年 8月 8日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
学院が、学院の職員が結成した追手門学院大学翔青会の団交申入れに対し、同会は労働組合とは認められないとして、これを拒否するとともに、同会の結成に関し、X1ら3名に対して厳重注意を行い、次いで人事発令において降格等に付したこと、及び同会が規約等を改正して学院に団交を申し入れたところ、これに応じなかったことが争われた事件で、翔青会との団交の誠実応諾、人事降格等がなかったものとしての取扱い、バック・ペイ(年5分加算)の支払い及び文書交付・回覧を命じた。 |
命令主文 |
1.被申立人は、申立人組合から昭和63年10月15日以降申入れのあった組合事務所等の貸与及 び同年11月14日付被申立人回答文書に関する団体交渉に、誠意をもって速やかに応じなけれ ばならない。 2.被申立人は、申立人X1に対し、平成元年4月1日付人事発令がなかったものとして取り 扱い、同人が課長補佐として得たであろう職務手当相当額(既に主査として支払った金額を 除く)及びこれに年率5分を乗じた金額を支払わなければならない。 3.被申立人は、申立人X2及び同X3の両名を平成元年4月1日付で主査に命じたものとし て取り扱い、同人らが同日以降得たであろう主査手当相当額及びこれに年率5分を乗じた金 額を支払わなければならない。 4.被申立人は、申立人組合に対し、下記1の文書を速やかに手交するとともに、追手門学院 大学事務局の全職員に対し、下記2の文書を速やかに回覧しなければならない。 記1 年 月 日 追手門学院大学労働組合翔青会 会長 X1 殿 学校法人 追手門学院 理事長 Y1 当学院が行った下記の行為は、大阪府地方労働委員会において、労働組合法第7条第1 号、第2号及び第3号に該当する不当労働行為であると認められましたので、今後このよう な行為を繰り返さないようにいたします。 記 (1)昭和63年10月15日以降貴組合から申入れのあった、組合事務所等の貸与、当学院の同年 11月14日付回答文書、貴組合員3名に対する厳重注意とその文書回覧及び平成元年4 月1日付人事発令などに関する団体交渉に応じなかったこと (2)貴組合会長X1氏に対し、平成元年4月1日付で課長補佐の職を解き主査を命じたこ と、及び同日付で本部事務局へ出向させ、追手門学院幼稚園へ配属したこと (3)貴組合副会長X2及び同X3の両氏を平成元年4月1日付で主査に命じなかったこと (4)貴組合会長X1、同副会長X2及び同X3の各氏に対し、平成元年2月7日厳重注意を 行い、その旨を同日付け文書により大学事務局職員に回覧したこと 記2 年 月 日 追手門学院大学 事務局職員各位 追手門学院大学 学長 Y2 当大学は、追手門学院大学労働組合翔青会会長X1、同副会長X2及び同X3の各氏に対 し平成元年2月7日厳重注意を行い、その旨を文書により大学事務局職員に回覧しました が、これらのことはいずれも大阪府地方労働委員会において、労働組合法第7条第1号及び 第3号に該当する不当労働行為であると認められたことをお知らせします。 |
判定の要旨 |
0110 結成行為の範囲とされた例
0200 宣伝活動
X1ら3名による翔青会の結成及び結成後の活動は、労働組合としての活動であり、正当な組合活動の範囲を逸脱したものとはいえないとされた例。
1200 降格・不昇格
組合員X2及びX3を主査に命じなかったことが不当労働行為であるとされた例。
1301 出向
組合員X1に対し、会計課長補佐の職を解き、本部事務局(幼稚園)に出向させたことが不当労働行為であるとされた例。
1602 精神・生活上の不利益
学院が行ったX1ら3名に対する厳重注意及び同人らに厳重注意を行ったとする注意文書の回覧が不当労働行為であるとされた例。
2113 交渉団体として不適格
4820 単一組織の支部・分会等
大学職員が結成した翔青会は、その目的、活動方針、規約、具体的活動からみて結成当初から労働組合としての性格を有するとされた例。
2301 人事事項
2306 便宜供与
組合が求める団交事項中、組合事務所等の貸与及び組合員3名に対する人事発令等は、いずれも団交事項に当たるとされた例。
4401 原職復帰と他の措置を併せて命じたもの
申立人らは、組合員X1ら3名に対する人事発令及び処遇に関する団交を求めているが、人事発令がなかったものとしての取扱いあるいは主査に命じたものとしての取扱い及び金銭の支払いをもって足りるとされた例。
4421 文書掲示等を命じた例
申立人らは、組合員X1ら3名に対する厳重注意処分の撤回及び原状回復並びにこれに関する団交を求めているが、厳重注意は人事上の不利益を与えるものでないので、これに関する文書手交及び文書回覧が相当とされた例。
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業種・規模 |
教育(自動車教習所を含む) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集93集136頁 |
評釈等情報 |
 
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