概要情報
事件名 |
西日本旅客鉄道(岡山夏季手当) |
事件番号 |
岡山地労委 昭和62年(不)第9号
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申立人 |
X1 |
申立人 |
X2 |
申立人 |
X3 ほか1名 |
被申立人 |
西日本旅客鉄道 株式会社 |
命令年月日 |
平成 3年 7月19日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、組合の分会役員ら4名に対して勤務成績が良好でないとして夏季手当を減額して支給したことが争われた事件で、上記分会役員4名に対する減額分の支払い及び減額査定による支配介入の禁止を命じた。 |
命令主文 |
1.被申立人は、申立人らに対し、昭和62年度夏季手当の支給に際して、査定により減額した 次の金額を支払わなければならない。 (下表略) 2.被申立人は、申立人らに対する上記のような減額査定により、国鉄労働組合岡山地方本部 岡山施設分会の弱体化を図るなどの支配介入をしてはならない。 |
判定の要旨 |
1202 考課査定による差別
組合バッジ着用等を理由に組合員4名の昭和62年夏季手当を減額支給したことが支配介入であるとされた例。
3410 職制上の地位にある者の言動
4911 解散事業における使用者
会社は、形式的には国鉄の事業等を分割、民営化して設立された会社であるが、その事業、資産及び債務の連続性、役職員の人的連続性、事業の継続性などからみて、両者間には実質的同一性があるとされた例。
4302 組合員資格喪失者(含組合脱退・死亡)
会社を退職し組合を脱退した元組合員X4は、本件救済申立てを放棄する旨の意思表示をしていないし、不利益も解消されておらず、被救済利益は消滅しているとは認められないとされた例。
4302 組合員資格喪失者(含組合脱退・死亡)
組合に対する支配介入の排除を求める部分については、元組合員X4が既に組合も脱退している以上、被救済利益は消滅しているとして、同人の当該請求部分を却下した例。
4407 バックペイの支払い方法
本件夏季手当減額の救済方法として、他の特段の事情が認められないので、再査定を命じるよりは差額分の支払いを命じることが相当であるとされた例。
4811 労組法7条3号(個人申立)の場合
本件申立人4名は地本の組合員であり分会役員などでもあるため、同人らに対する不利益取扱いは同時に岡山地本の組織活動に対する直接的ないし間接的な侵害にもなる点で、同人らは、労組法7条3号に該当する不当労働行為について申立人適格を有するとされた例。
5008 その他
使用者は考課査定について裁量権があり、これに対する救済申立てとしては、「再査定」を求める域を越えることはできないとする会社の主張が、労委は、申立人の請求に理由があると判断したときは、これを事実上是正するために必要かつ相当な措置を命令する権限を有するとして斥けられた例。
5145 救済内容が実現不可能
本件夏季手当の5%減額の取扱いをもって、「処分」とみるべきか、「査定」とみるべきかはさして問題ではなく、減額分の事実上の回復を求めていると理解すれば足り、法律上、事実上実現することの不可能な請求内容とはいえないとされた例。
5121 挙証・採証
申立書に記載する「不当労働行為を構成する事実」については、一般的には事実の要点を述べ、それが労組法のどの条項に該当するかがわかる程度の記載で足りるとされた例。
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業種・規模 |
鉄道業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集93集66頁 |
評釈等情報 |
 
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