概要情報
事件名 |
西日本旅客鉄道(富山配属) |
事件番号 |
富山地労委 昭和62年(不)第2号-1
富山地労委 昭和62年(不)第4号
富山地労委 昭和62年(不)第5号
富山地労委 昭和62年(不)第6号
富山地労委 昭和62年(不)第7号
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申立人 |
国鉄労働組合北陸地方本部 |
申立人 |
別紙目録1,2及び3記載のとおり |
申立人 |
国鉄労働組合北陸地方本部富山県支部 |
被申立人 |
西日本旅客鉄道 株式会社 |
命令年月日 |
平成 1年 3月30日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が新会社発足にあたり、(1)62年4月1日付で国労組合員100名に対して本来業務と異なる業務への配属発令を行ったこと、(2)この内75名に対し62年10月1日付組織改正にあたり4月1日付配属を固定化する発令を行ったこと、(3)組合員X1を関連会社へ出向させたこと及び(4)組合員X2ら7名売店等の業務に配転したことが争われた事件で、(1)62年4月1日付配属発令の取り消し、原職(又は原職相当職)復帰、(2)復帰の具体的方法について組合からの協議ないし団交申し入れを受けた場合は誠実に対応すること、(3)誓約文の手交及び掲示を命じた。 |
命令主文 |
1 被申立人は、次の措置を講じなければならない。 (1)西日本旅客鉄道株式会社設立委員が、設立委員会委員長名でなした申立人国鉄労働組合 北陸地方本部富山県支部に所属する別紙目録1,2及び3記載の申立人らに対する昭和 62年 4月 1日付配属命令を取り消し、原職(又は原職相当職)に復帰させること。 (2)前記の原職(又は原職相当職)復帰の具体的方法に関し、申立人国鉄労働組合北陸地方 本部又は同国鉄労働組合北陸地方本部富山県支部から協議ないし団体交渉の申入れを受 けた場合は、誠実にこれに応じること。 2 被申立人は、本命令受領の日から1週間以内に下記のとおりの誓約文を申立人国鉄労働組 合北陸地方本部及び同国鉄労働組合北陸地方本部富山県支部に手交するとともに、縦2m× 横3mの白色木板に鮮明に墨書して、被申立人の本社正面玄関及び金沢支社における従業員 の見易い場所に毀損することなく10日間掲示しなければならない。 記 誓 約 文 年 月 日 国鉄労働組合北陸地方本部 執行委員長 X3 殿 国鉄労働組合北陸地方本部富山県支部 執行委員長 X4 殿 西日本旅客鉄道株式会社 代表取締役 Y1 当社が行った貴労働組合所属の別紙目録1,2及び3記載の組合員に対する昭和62年 4月 1日付配転命令、別紙目録2及び3記載の組合員に対する同年10月 1日付発令、組合員X1に 対する同年11月 4日付発令、組合員X5及び同X6に対する同年11月16日付配転発令、組合 員X7及び同X8に対する同年11月25日付配転発令、組合員X9、同X10及び同X11に対す る同年12月 7日付配転発令は、いずれも不当労働行為であると富山県地方労働委員会におい て認定されました。今後このような行為を繰り返さないよう誓約します。 |
判定の要旨 |
1302 就業上の差別
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
会社が62年4月1日付で国労組合員100名を、旅行センター及び営業課分室に配属したことが不当労働行為であるとされた例。
1302 就業上の差別
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
本件62年10月1日組織改正により62年4月1日配属を是認する発令を行ったことが、組織改正を理由として本件申立人76名を異職種に固定化したもので不当労働行為であるとされた例。
1301 出向
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
申立人X1を62年11月4日付で関連会社に出向させたことが不当労働行為であるとされた例。
1300 転勤・配転
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
組合の組合員7名に対する配転は、62年4月1日配属に引き続き、同人らを異職種や勤務条件の低下する職場へ異動させた不当労働行為であるとされた例。
3900 「不利益の範囲」
本件配属は、当該組合員にとっては異職種への配属であり、精神的及び経済的不利益を受けたものとされた例。
4301 労組法7条3号(支配介入、経費援助)の場合
申立人X5ら5名は、すでに出向協定に基づき、出向命令に特に争うことなく63・ 6・ 1付けで関連会社へ出向しているが、このことをもって申立ての利益が失われたとはいえないとされた例。
4404 復帰後の労働条件等
4417 条件付命令・協議命令
62年4月1日敗訴組合員の救済方法として、原職又は原職相当職復帰を命ずるにあたり、復帰の具体的方法につき労使で協議し調整するよう命じた例。
4911 解散事業における使用者
国鉄の62年3月10日付異動は、設立委員の業務を国鉄が代行して行った措置であり、その行為の責は設立委員に帰し、新会社に及ぶとされた例。
4909 事業分離後の新企業体
会社の支社は、企業主体たる会社の構成部に過ぎないもので使用者たりえないとして、会社に救済を命じた例。
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業種・規模 |
鉄道業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集85集896頁 |
評釈等情報 |
 
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