事件名 |
郵政省枚方郵便局第1,同第2及び同第3 |
事件番号 |
公労委 昭和54年(不)第6号
公労委 昭和54年(不)第7号
公労委 昭和54年(不)第8号
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申立人 |
X1 ほか2名 |
被申立人 |
枚方郵便局長 |
命令年月日 |
昭和56年12月15日 |
命令区分 |
棄却(命令主文が棄却のみ又は棄却と却下) |
重要度 |
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事件概要 |
郵便局長が、(1)全逓枚方支部の掲示板を撤去したこと、(2)同
支部の撤去された掲示板跡に掲出した掲示物を撤去し、破棄したこと、(3)同支部の掲示板の原状回復を求める団交申入れを拒
否したこと、(4)支部組合員の掲示板跡に掲示物を掲出したことに対し、管理者がこれを制止し、支部組合員に就労命令を発し
たこと、(5)就労命令に従わなかった支部組合員を訓告等の懲戒処分としたことが争われた事件で、申立人らの申立てをいずれ
も棄却した。 |
命令主文 |
申立人らの申立てをいずれも棄却する。 |
判定の要旨 |
5201 継続する行為
行為の日から1年を経過した事件であるかどうかを判断するためには、行為がその都度完結する1回限りのものであるか、それと
も「継続する行為」であるかの検討が必要であり、「継続する行為」とは、単一の意思に基づいて同種類又は同一態様の複数の行
為が時間的に接続ないし近接して行われる場合の行為をいう。したがつて、本件の場合、被申立人側がした掲示板及び掲示物につ
いての一連の撤去行為は、「継続する行為」に該当する。
4810 労組法7条2号(個人申立)の場合
不当労働行為救済の申立権は、団結権の侵害を直接、間接に受けた者、すなわち、救済に対して正当な利害関係を有する者に広く
認められると解されるから、団交拒否事件においては、労働組合と組織的な関連を有する組合員個人にも救済申立権、したがつ
て、当事者適格がある。
2800 各種便宜供与の廃止・拒否
3020 組合活動への制約
5年程度使用してきたが使用を許可していない本件掲示板については、被申立人が組合側に対して違法掲示として注意、警告又は
撤去をしてきたため、当該掲示板の使用は慣行化したものとはいえず、かつ、当局側の了解があつたとは認められないから、組合
は、これを使用する何らの権利も有しない。また、撤去された掲示板の跡ないし使用許可のある掲示板の周囲の壁面に組合掲示物
を掲示する許可を得ていたとの主張、立証もない。以上により、被申立人がした当該掲示板及び組合掲示物の撤去行為は、庁舎管
理規程等に基づく適法な職務行為であり、不当労働行為とはならない。なお、当該掲示物を撤去する際に破棄又は破損がなされて
も、掲示物がのり付け等の方法によつて壁面に貼付された場合には、破棄・破損することなしに当該撤去をなし得ないから、撤去
に際して当然に随伴するものとして適法である。
0201 就業時間中の組合活動(含職場離脱)
勤務時間中の組合活動は、本来、法令の定める特別の場合を除いては、たとえ短時間行われたものであつても、職務専念義務違反
の違法な行為であり、加えて、本件掲示物の貼付行為は、仮に勤務時間外になされたとしても違法なものであるから、本件管理者
らがした制止及び就労命令は適法な職務行為であり、組合活動への支配介入とはならない。
0203 職場闘争と業務妨害
0205 第三者・取引先等への働きかけ
勤務時間中の組合活動は違法なものであり、また、本件組合集会への参加の呼びかけ行為が休暇を取得した者によるものであって
も、他の職員の執務を妨げる等職場の秩序を乱すもので、庁舎管理規程、就業規則等により許されないものであるから、本件管理
者らがした制止及び就労命令は、適法な職務行為であつて組合活動への支配介入とは認められない。
3020 組合活動への制約
申立人らがした本件掲示物の掲示は違法なものである上、管理者らがしたこれらの破棄又は破損の行為は適法なものであるから、
掲示物の撤去行為に対する申立人らの抗議は理由がなく、本件管理者らの就労命令は、適法な職務行為であって組合活動への支配
介入とはならない。
0208 暴力・不穏当な言動を伴った組合活動
0411 怠業
0422 実行行為者の責任
1400 制裁処分
管理者らに対して暴言を浴びせ、つばを吐きかけたり、上司の就労命令に従わずに抗議する等の行為は、いずれも職場の規律、秩
序を乱すなど国家公務員法その他法令等に違反するものであるから、これらの行為を理由に懲戒処分等がなされても、不利益取扱
い又は支配介入とはいえない。なお、被申立人のした本件懲戒処分等(減給又は訓告)には、裁量権の範囲の逸脱もその濫用もな
い。
2253 受取り拒否・申入れなし
掲示板の原状回復に関する組合の意思表示は、「団体交渉の申入れ」にあたるとは直ちには認めがたく、仮にこの意思表示が「団
体交渉の申入れ」をも含むとしても、郵便局長が自ら掲示板の撤去の経過ないし理由を説明する等してこの「申入れ」に対応して
いるから、被申立人に不当労働行為は成立しない。
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業種・規模 |
分類不能の産業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集 |
評釈等情報 |
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